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左から、日本オラクルのグローバル戦略本部 松島晴彦本部長、NECのミドルウェア事業部長 池田治巳氏、米Oracle ST エンジニアチーム ミルトン・ウォン ディレクター
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日本電気株式会社(以下、NEC)と米Oracle、日本オラクル株式会社は9月20日(米国時間)、ソフトウェア開発レベルからの戦略的技術提携の成果を発表した。
NECとOracleはこれまでも数々の協業を行ってきたが、この戦略的提携では、グリッドコンピューティングやSOAなどの有用な技術をいち早くユーザーのシステムに適合させたい、という要望に応えるため、各社の持っているエンジニアリングのリソースを、必要に応じて各プロジェクトに割り当てるとしている。
NECのミドルウェア事業部長、池田治巳氏によれば、このメリットはソリューションの迅速な市場投入が可能になることだという。従来は、「一部事前検証も行われていたが、基本は出荷後の検証であったため、最悪、出荷開始後1年以上も提供できないということがあった」(池田氏)。しかし、戦略段階から各社が協力し、仕様のすりあわせの段階から物作りを行っていくことによって、出荷の段階から提供が可能になるため、理想的な状況としては、発売と同時のソリューション提供が可能になるのだという。
さらに、NECがSI事業を中心にくみ取ってきた経験を加味することで、SI時におけるニーズを盛り込むこともできることから、SIコストも含めたTCOの削減効果も見込める。これに関して池田氏は「製品間の整合性を事前に評価することができる。SIしやすい仕組みを作ることが可能だ」と述べた。
取り組みとしては、NECからOracleへ要員を送り込み、共同プロジェクトという形で議論を進めているほか、OracleにもNEC専任チームを置く。もちろん、日本オラクルでも同様の形で進めているという。
また具体的な成果としては、今回Oracle OpenWorld 2005で展示された、「ブレードサーバー上での動的なリソース割り当て」機能が第1弾という。これは、NECのブレードサーバー管理ソフト「BladeSystemCenter」とOracleのデータベース管理ソフト「Oracle Enterprise Manager 10g」を連携させて行うもので、RAC(Real Application Cluster)のノードを、負荷状況や使用状況にあわせて自動的に割り当てられるようにする。
現在はまだベータ段階とのことだが、NECでは年内をめどに商品化を図りたい意向で、今後も各社での取り組みを継続していくとした。なお、こうした取り組みに関して、Oracle側でNECとの協業を担当しているST エンジニアチームのディレクター、ミルトン・ウォン氏は「NECとの関係は他社よりも深い。ロードマップをシェアすることも早めに行うなど、他社よりもインテグレーションが密になるようにしている」と述べ、今後に期待を表明した。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
米Oracle
http://www.oracle.com/
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
( 石井 一志 )
2005/09/21 16:16
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