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「日本の主要ベンダーが採用」-SASに注力する米LSI Logic


 米LSI Logicは9月21日、同社の事業戦略についての説明会を行った。5月にCEOが交代しており、組織再編や重点事業などについての新たな方針が発表された。

 同社の創業者でもあるウィルフ・コリガン氏の後任CEOに就任したのは、米Intelでヴァイスプレジデント兼デジタル・エンタープライズ・グループの副社長であったアビ・タルウォーカー氏。タルウォーカー氏がCEO就任後にまず行ったのが、組織の再編だ。コンシューマプロダクト、カスタムソリューションズ、ストレージコンポーネンツ、Engenioインフォメーションテクノロジーの4つのグループに再編、ASICが中心であった従来のビジネススタイルから、標準製品の比率を高めつつある現状に合わせた組織に改編している。

 またウェハーの生産戦略についても大きな変化があった。同社ストレージスタンダードコンポーネンツグループ シニアヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのビル・ヴェルツ氏は、「2000年の売上げに占めるASICの割合は78%であったが、今年は51%まで下がるだろう。これに伴い、自社でウェハーを製造するスタイルから外部委託の比率を少しずつ上げていた」と説明。この戦略の延長として、同社のウェハー製造部門の売却を決定したという。これについて、LSIロジック株式会社代表取締役社長の小林昭二氏は、「半導体プロセスを最先端にしつづけるには巨額の費用がかかる。工場に投資するよりも新製品に投資するほうがいいという判断だった」と、自社生産のメリットが少なくなっていたことが今回の売却につながったとした。


ストレージスタンダードコンポーネンツグループ シニアヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのビル・ヴェルツ氏 LSIロジック株式会社代表取締役社長の小林昭二氏

日本の主要ベンダーでの同社SAS製品の採用状況。2006年にはSAS対応サーバーや外部ストレージの出荷が予定されている
 同社が今後の事業で力を入れているのが、SAS(シリアル・アタッチドSCSI)だ。ヴェルツ氏によると、同社の売上に占めるストレージコンポーネンツの割合は、2005年第2四半期で57%に達しているという。「統合ストレージからアダプタカード、SAN Fabrics、ストレージシステム、ペリフェラルまで、ストレージ市場の主要セグメントで製品を展開しており、業界をリードしている」とヴェルツ氏は述べ、ストレージ分野は今後の同社の成長戦略の中核であるとした。

 ストレージ分野での今後の展開について、ヴェルツ氏は「今後SASに移行するであろう外部ストレージシステムや、MegaRAIDをRAID on Chipと組み合わせることによる付加価値の強化、ハイボリュームのネットワークストレージエリアへのアプローチなどの展開」を行うとした。



URL
  米LSI Logic
  http://www.lsilogic.com/


( 福浦 一広 )
2005/09/21 15:54

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