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米Adobe CEOが来日、「PDFとFlashの統合プラットフォーム実現を希望」


米Adobe Systems CEOのブルース・チゼン氏
 アドビシステムズ株式会社は9月29日、米Adobe Systems CEOのブルース・チゼン氏の来日に合わせ、事業戦略の説明会を開催した。説明会では、2005年度第3四半期の業績や、米Macromediaの統合などが語られた。

 同社が発表した2005年度第3四半期(6~8月期)決算では、売上高が4億8700万ドルで前年同期比21%増、営業利益が過去最高の1億8360万ドルで前年同期比31%増、純利益が1億4490万ドルで前年同期比39%増と2桁成長を維持した。

 内訳を見ると、クリエイター向けのツール「Creative Suite」を中心としたCreative Pro事業の売上が2億630万ドルと大幅に増加。これについてチゼン氏は、「Creative Suite 2が好調なのが大きく影響した。特に、仏語版、独語版、日本語版をタイムリーに出荷したことで、英語版以外のバージョンが好調だった」と説明した。

 Acrobatやサーバー製品などのPDFを中心としたIntelligent Document事業の売上も1億6580万ドルと、堅調な伸びを示している。LiveCycleサーバー製品については、「今年度1億2000万ドルの売上を見込んでいる」と、順調に成長しているとした。

 Macromediaの統合についてチゼン氏は、「8月に両社の株主よりMacromedia買収提案を支持していただいた。現在、規制当局の認可を待っている段階で、今秋には統合を完了するだろう」と説明、正確な時期については明言しなかった。また、両社の製品の今後については、「統合前に将来のことを話すのは禁じられている」としながらも、個人的な希望として、「PDFとFlashについては、統合されたプラットフォームを実現するのが望ましい」と、統合することで両プラットフォームの価値が高まるとした。

 両社の製品群で競合するものについては、「たとえば、GoLiveとDreamWeaverが競合するのではないかといわれるが、必ずしもそうではない。GoLiveはWebデザイナー向け、DreamWeaverはWeb開発者向けと、利用するユーザーは異なっている」と説明、どちらかの製品に統合するという考えは現時点では持っていないと強調した。その他の製品についても同様で、「100%とはいえないが、既存製品をなくすことは考えていない」とした。

 Macromediaのサーバー製品については、XMLによってFlashアプリケーションの開発が行える「Macromedia Flex」に対し高い関心があると述べ、「FlexとLiveCycleをつなぐことで、PDFドキュメント上にさまざまな情報やグラフィカルなデータをリアルタイムに表示できるようになるだろう」とした。

 また、9月に日本法人社長を退任した石井幹氏の後任人事についてチゼン氏は、「現在暫定的に米Adobe製品およびワールドワイドOEMセールス担当副社長のスー・シーン氏が就任しているが、後任社長を検討している段階だ。世界で2番目の売上規模の日本法人社長に対しては、すぐれたリーダーシップを持ち、複雑なビジネス環境に対応できる人材を求めている」と述べ、現時点では未定であるとした。



URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.co.jp/


( 福浦 一広 )
2005/09/29 17:07

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