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三井物産子会社のMBSDとE3ネットワークスが合併、「セキュリティとネットワーク管理を包括的に提供」


MBSD社長で、新会社の代表取締役に就任する予定の野村一洋氏

三井物産の執行役員 情報産業本部長、小川真二郎氏

E3の代表取締役社長、清水隆太郎氏
 三井物産株式会社と、同社傘下の三井物産セキュアディレクション株式会社(以下、MBSD)、E3ネットワークス株式会社(以下、E3)の3社は10月6日、MBSDとE3が対等合併を行うと発表した。合併は11月1日付けで、存続会社はE3、新社名は「三井物産セキュアディレクション株式会社」。新MBSDの代表取締役社長には、現MBSDの社長である野村一洋氏が就任する予定という。

 E3は、HP OpenViewなどを用いるネットワーク管理分野のコンサルティング、システム構築のために、2001年3月に設立された企業。また現MBSDは、情報セキュリティ関連事業をスピンオフした企業。これまで、グループ企業という枠組みの中で、独立して事業を行ってきた両社を合併することについて、三井物産の執行役員 情報産業本部長、小川真二郎氏は「セキュリティへのニーズは高まっているが、単にセキュリティだけではなく、ネットワーク管理などと一体化した形でのコンサルティングやソリューション提供が求められている」と説明する。

 E3の代表取締役社長で、新MBSDの副社長就任が予定されている清水隆太郎氏も、「運用管理に特化した形でビジネスを展開してきたが、ITマネジメントに対する要求に応えるには、情報セキュリティは欠かせない要素になった」とこれを認め、「ITマネジメントに関して培ってきた専門性を発展させて、包括的にニーズを満たしていく会社になるために、合併を決意した」と語る。

 一方、野村氏も「企業資産を守っていくには、機密性、完全性だけを保護していくのでは運用しづらくなる。それらを保持した上で、利用者に可用性を提供しなくてはならない。この、不足していた部分、システムの可用性という部分で、E3の持つ高度な専門性が必要になる」と述べた。

 また野村氏は、今後新会社が重視していく分野として、「内部統制」を挙げた。日本でも米国同様の企業改革法が制定される方向で進んでおり、現在注目を集めつつある分野であるが、同氏は「これからは、内部統制をしっかりとやらなければ、売り上げを上げていても企業価値が下がる時代になると考えており、経営者がもっとも考えている部分ではないかと予測している」とする。さらに、「この分野はやはり米国が進んでいる。当社では、米国などの先進的な技術を取り入れることを得意としているので、この強みを生かして、先進的なソリューションを市場へ投入したい」との考えを示した。

 今回合併する両社はいずれも三井物産の100%子会社のため、新MBSDも同社の100%子会社として運営されていく。資本金は現在のE3と同様の4億円で、現MBSDの資本金4億8000万円は資本準備金に組み入れる。従業員は、両社の現従業員をあわせた120名体制でのスタートする。売り上げは、合併によるシナジー効果などによって、現在の約50億円(2社合計)から、2008年3月期約100億円への増加を見込む。



URL
  三井物産株式会社
  http://www.mitsui.co.jp/
  三井物産セキュアディレクション株式会社
  http://www.mbsd.jp/
  E3ネットワークス株式会社
  http://www.e3net.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.mitsui.co.jp/tkabz/news/2005/051006.html

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( 石井 一志 )
2005/10/06 15:58

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