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ジャストシステム、複数のXML文書をシームレスに閲覧・編集できる「xfy」をお披露目
代表取締役社長の浮川和宣氏
代表取締役専務の浮川初子氏
株式会社ジャストシステムは10月14日、同社の統合XMLアプリケーション開発・実行環境「xfy」の記者向け説明会を開催した。同社ではXMLの利用が進んでいる米国を中心にxfyを展開。そのため日本国内でxfyを紹介する機会が少ないことから、同社代表取締役社長の浮川和宣氏らにより、これまでの開発経緯や今後の展開などが語られた。
xfyは、さまざまなXML文書を1つの文書データ上でシームレスに閲覧・作成・編集を可能とする技術。6月には同技術に基づいた「xfy Basic Edition 1.0」のベータ版を公開しており、10月末には製品版を発表する予定。
xfyの開発に至る経緯について浮川社長は、「8年前に一太郎の将来バージョンの開発を目的として、一人のエンジニアに任せたのがきっかけ。その中で一太郎Arkという製品が登場したが、そののちXMLをベースとすることで大きな構想に進化し、そして生まれたのがxfy」と、もともとはワープロ製品の開発がきっかけであったと紹介。「2004年に米国でテクノロジーを公開すると、XML開発者などから高い評価をいただいた」と、注目を集める技術であるとした。
同社代表取締役専務の浮川初子氏は、「XMLはもともとインターネットによる情報交換用の言語として登場したが、実際にはさまざまなXMLボキャブラリが存在するため情報交換が複雑になっている」と指摘。こうした問題に対応するのがxfyだ。「xfyはプラグインを用意することでさまざまなXML文書を取り込むことが可能。またボキャブラリごとにViewを用意しており、編集にも対応している」と説明する。説明会では、XHTML文書にSVG(Webグラフィックス用のXML言語)を挿入したり、挿入したSVGをその場で編集するデモが行われた。
xfy Basic EditionでXHTML文書を開いたところ。一般的なWebブラウザと似たデザインとなっている
SVGを挿入するところ。文書の自由な位置に他のXML文書を挿し込むことができる
SVGを挿入したところ。グラフィックの表示もできる
XML文書のソースも表示可能。画面左側にはSVGのソースが表示されている
SVGを編集すると、リアルタイムにソースも更新される。ソース側を編集することも可能
xfyの利用例として紹介されたのがブログ。現状はブログの編集画面とWebブラウザでの表示画面は別々になっている
xfyを使うと、ブログを画面イメージのまま編集することが可能
xfyの最大の特徴が、XMLの処理をサーバー側でなくクライアント側で行える点。「現在、サーバー側はXML化が進んでいるものの、クライアント側ではXMLに対応していないため、サーバー側でクライアントが表示できる形式に変換しているのが現状。せっかくのリッチなデータであっても、有効に使えていない。xfyを使うことで、XMLを変換することなく利用できるようになる」(xfyプロジェクトの松本憲幸氏)と、サーバー側で加工の必要なくXMLをクライアント側で使えるメリットを強調する。
xfy自体はやっとコアテクノロジーが確立し、製品化のめどがついたところだ。浮川社長も「どのような売り方が向いているのか検討中」と、現時点ではXMLの開発者などにテクノロジーをアピールしている段階であるとした。マイクロソフトの次期OfficeではXMLを標準ファイルフォーマットに採用しており、xfyの利用シーンが早急に広がる可能性は高い。
なお、同社ではxfyを含めた同社のソリューションを紹介するイベント「JustMeet 2006」を、10月19日に東京、11月2日に大阪で開催する。
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URL
株式会社ジャストシステム
http://www.justsystem.co.jp/
xfy technology(英語)
http://www.xfytec.com/
JustMeet 2006
http://www.justsystem.co.jp/jm2006/
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