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日本オラクル、他社製品との接続性を確保する「ホット・プラガブル」構想


執行役員 システム事業推進本部長の三澤智光氏

「ホット・プラガブル」構想に基づくシステム構築の例
 日本オラクル株式会社は10月24日、SOAの考え方に基づき、自社製品と他社製品との接続性を確保する「ホット・プラガブル」構想を発表した。

 ホット・プラガブル構想とは、「Oracle Fusion Middleware(OFM)」の構成要素となっている各ミドルウェア製品をモジュール構造にすることで、それらと、ユーザーがすでに利用している独自開発のアプリケーション、他社の商用アプリケーションなどとを、必要に応じて統合できるようにするというもの。執行役員 システム事業推進本部長の三澤智光氏は「日本オラクルのアーキテクチャだけですべてのITがプロバイドされているわけではない。混在する環境をうまく融合させて、新しい時代のITに移行していくお手伝いを日本オラクルがするということ」と説明した。

 現段階では、BPELエンジンの「Oracle BPEL Process Manager」やセキュリティ製品の「Oracle Identity Management」、開発ツールである「Oracle Application Development Framework(ADF)」、マッピングツール「Oracle TopLink」の各製品が、日本IBMのWebSphere、日本BEAのWebLogic、オープンソースのJBossといった主要アプリケーションサーバーの上で動作する、もしくは近日中に対応する予定となっている。

 また、開発ツール分野におけるEclipseのサポート、Oracle Application ServerとOracle Enterprise Service Busにおける他社製キューイング製品のサポート、Oracle Identity Managementでの、Active Directoryやその他のLDAPディレクトリ、シングルサインオン製品への対応、といった点も、現在すでに利用可能なホット・プラガブルな機能であるという。

 これらに加えて国内では、分散オブジェクト関連製品の相互接続性検証などを行っている第三者機関「DOPG」によって、WS-I Basic Profile 1.0に基づく相互接続性の検証がなされた。これにおいては、NEC、富士通、日立など5社の製品との間で相互動作が確認されているほか、さらにBPEL Process Managerでは、.NET Webサービスとの接続検証が実施済みとした。

 加えて日本オラクルでは、100名を超えるSOAエンジニアの用意を終えたほか、パートナーから人員を受け入れて共に案件をハンドリングし、SOAやBPEL Process Managerについて理解を深めてもらう取り組み、パートナー向けトレーニングなどを行って、体制を強化している。さらにユーザー向けのトレーニングも11月から開始、各個所において、SOA拡大に向けた取り組みを実施していくとのこと。

 なお三澤氏はホット・プラガブル構想で実現しようとしているのは、「顧客の資産を重視し、オープン性が十分に確保されたシステムだ」と再三説明したが、ほかにも「(Oracleが買収した)PeopleSoft製品のプラットフォームとしてWebSphereを利用しているという例もある。PeopleSoftやRetekなどのアプリケーションをうまく連携させていくかという、Oracle自身の課題でもある」とも述べていた。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1478

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( 石井 一志 )
2005/10/24 17:41

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