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SAP Labs LLCマーケット・ディベロップメント。エンジニアリング バイスプレジデントのカイ・ヴァンデルー氏
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SAPジャパン株式会社は10月24日、同社が推進しているプラットフォームエコシステムに関する説明会を行った。
同社では、ソフトウェアベンダーを対象とした認定プログラム「Powered by SAP NetWeaver」および開発者・技術者用のコミュニティ「SAP Developer Network」により、パートナー企業とのエコシステム構築を推進している。この中核となるのが、「アプリストラクチャ」という造語で表されるプラットフォーム「ビジネスプロセスプラットフォーム(BPP)」だ。
SAP Labs LLCマーケット・ディベロップメント。エンジニアリング バイスプレジデントのカイ・ヴァンデルー氏は、アプリストラクチャについて「ミドルウェアを含む、アプリケーションとインフラストラクチャを統合したもの」と説明する。このアプリストラクチャを提供できるプレイヤーは「わずかしかいない」とし、その一社がSAPであるとした。
このアプリストラクチャを実現するものがBPPであるとヴァンデルー氏は説明する。BPPは、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)のための包括的なプラットフォーム。BPPでは、プロセスの制御とサービスの実行が切り離されており、プロセスレベルで変更を行う場合に新たにアプリケーションを購入したり開発したりする必要がないという。また、BPPでは、すべてのプロセスで共通の表記法や、モデリングツール、メタデータを使用しているため、既存のサービスも簡単に組み換えることが可能としている。
ヴァンデルー氏はこのBPPを「イノベーションを刺激するプラットフォーム」であるという。「これまでのSAPは完結したパッケージを提供してきた。しかし、一社だけですべての革新的な機能を用意することはできない。今後は、プラットフォームベンダーとして、パートナー各社とのエコシステム構築を重視する。そして、プラットフォームの周辺を刺激することで、パートナー各社を革新へと導いていく」と、プラットフォームを通じたパートナーとのエコシステム構築を、中長期的な戦略として掲げた。
なおOracleもOracle Fusion Architectureを提唱しているが、ヴァンデルー氏は「われわれはビジネスアプリケーションで世界一であることを理解していただきたい。われわれには豊富な実績があり、これはお金で買うことはできないものだ」と、買収で集められた製品とは違うと強調。「テクノロジーというよりもビジネスプロセスをどう理解するかが重要だ」と同社のこれまでの実績をふまえて、アプリケーションの会社である点が強みであるとした。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
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