10月25日、都内において「Oracle Fusion Middleware Day」(日本オラクル株式会社 主催)が開催された。Oracle Fusion Middlewareとは、データ統合、プロセス統合、セキュリティ統合、データ可視化といったSOA基盤として重要な機能を提供するソフトウェア群である。
基調講演の冒頭で日本オラクル 代表取締役社長兼CEOの新宅正明氏は、「日本でもSOA基盤としてのミドルウェアに対する要求が高まっている」とし、多くの企業がSOAに強い関心を抱いている現状を指摘した。
続いて壇上に上がった同社の執行役員 システム事業推進本部長 三澤智光氏は、「もはやITは単に作って動かすだけの時代から、いかに安定して運用するかが重要な時代になった」と述べた。Fusion Middlewareは効率よくシステムを作ることに主眼を置くほかのベンダのミドルウェア製品とは異なり、「安全に安定して運用する」ことと「ほかのサービスと連携させること」を前提とした製品であることを強調した。
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日本オラクル 代表取締役社長兼CEOの新宅正明氏
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日本オラクル 執行役員 システム事業推進本部長の三澤智光氏
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米Oracle CorporationのOracle Application Server担当CTO、ビジェイ・テラ氏
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米Oracle CorporationのOracle Application Server担当CTOであるビジェイ・テラ氏は、「Fusion Middlewareは世界的に最も成長しているミドルウェア製品である」と述べた。同氏は「Oracle Application Server 10g」担当の最高戦略責任者として技術的、戦略的な方向性を策定した人物であり、現在のFusion Middleware戦略に対して重要な影響を持つ人物である。
Fusion Middlewareの優れた点としてビジェイ・テラ氏は、ビジネスの視点から製品が作られていること、データベースとの統合に優位性があることなどを挙げている。また、先ごろ発表されたOracleのホット・プラガブル構想で明らかにされたように、すべてをOracleの製品で実現しなければならないわけではなく、Fusion Middlewareの上で既存のシステムを生かしながら、あるいは、ほかのミドルウェア上でFusion Middlewareのコンポーネントを導入して、より良いシステムを構築できるとしている。これは、Fusion Middlewareがすべてがオープンな技術の上で実現されていることで可能になっているという。
なお、同日に日本オラクルでは、Fusion Middlewareを構成する製品の1つである「Oracle Product Information Management(PIM) Data Hub」を日本国内でも販売開始したことを発表している。PIM Data Hubは、製品や商品の情報を管理する統合ソリューションであり、PLM(Product Lifecycle Management)の機能を提供する。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
Oracle Fusion Middleware
http://www.oracle.co.jp/products/middleware/
Oracle Fusion Middleware Day
http://www.oracle.co.jp/events/FMDay/
■ 関連記事
・ 日本オラクル三澤氏、「すでにOracle Fusion MiddlewareはBEAをとらえた」(2005/07/26)
・ 日本オラクル、他社製品との接続性を確保する「ホット・プラガブル」構想(2005/10/24)
( 北原 静香 )
2005/10/25 19:30
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