SAPジャパン株式会社は、テクノロジカンファレンス「SAP TechEd '05」を10月26日、27日に開催。初日の26日には、同社代表取締役社長のロバート・エンスリン氏、マイクロソフト株式会社 代表執行役社長兼米Microsoftコーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン氏、SAP Labs LLC市場開発エンジニアリング バイスプレジデントのカイ・ヴァンデルー氏による基調講演が行われた。
■ SAPとマイクロソフトのパートナーシップの成果「Mendocino」
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SAPジャパン代表取締役社長のロバート・エンスリン氏
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マイクロソフト株式会社 代表執行役社長兼米Microsoftコーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン氏
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SAP Labs LLC市場開発エンジニアリング バイスプレジデントのカイ・ヴァンデルー氏
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エンスリン氏は、企業の買収合併により、システムをどう統合するかが問題になっていると指摘。また、既存リソースを活かしつつ、投資対効果を高めることもCEOやCIOの課題となっていると述べる。「これまでと異なるビジネスモデルが必要となっている」とし、同社が進めるESA(Enterprise Services Architecture)が有効であると説明。「今回のTechEdで、さまざまなテクノロジーを見ていただきたい」と挨拶した。
ヒューストン氏は、「MicrosoftとSAPは、12年にわたってパートナーシップを築いてきた。また、SAPのプラットフォームでもっとも選ばれているのが、Windows ServerとSQL Serverという実績もある」と、MicrosoftとSAPの親密な関係を強調。その成果の一つとして、両社の製品を連携させる技術である「Mendocino」を紹介した。
Mendocinoは、SAPの「mySAP ERP」とMicrosoftのOffice製品群を接続する技術で、両社共同で開発を行っている。両社のWebサービス統合技術をベースとしており、SAPのERP製品のフロントエンドとしてOffice製品を活用できるのが特長。「SAPのデータをExcelで手軽に分析できるなど、使い勝手が大幅に向上するもの」と、ユーザーにとって大きなメリットがあると説明、「2006年後半の投入を予定している」と述べた。
続いて登壇したヴァンデルー氏は、ビジネス主導型のアーキテクチャの重要性を紹介。「SOAは重要なテクノロジーだが、それだけでは不十分」と、ビジネスの視点から判断することが大切であると強調する。また、M&Aにより少数の大企業だけが残っている現状にも触れ、「ビジネスプロセスの観点から、どのように統合するかを検討することが重要」と、システムの統合がテクノロジーの視点でのみ行われがちな現状に対して疑問を投げかけた。
ヴァンデルー氏は、「NetWeaverを活用することで、既存リソースを活かしながら変革に対応できる」と、同社製品を利用することで、こうした問題は解決できると紹介。「NetWeaverならば、既存システムとの統合も容易」と、既存の資産を無駄にすることなく統合できると説明。「また、パッケージやカスタムプロセスモデリングを用意しているので、ビジネスプロセスの再構成にも有効」と、NetWeaverのよさをアピールした。
なお同社では、マイナーバージョンアップのNetWeaver 2004sをリリースしたことも発表。2006年には、ビジネスプロセスプラットフォーム(BPP)に対応したNetWeaverをリリースする予定であると説明している。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
SAP TechEd '05
http://www.teched05.jp/
( 福浦 一広 )
2005/10/26 19:54
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