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今回発表された高年齢層向けの雇用制度
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執行役員 人事担当の松永達也氏
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日本アイ・ビー・エム株式会社は10月27日、高い能力を持つ人材が継続して働ける雇用制度を拡充することを発表した。2006年4月より開始する。これにより、65歳まで有能な社員が継続して働くことが可能としている。
同社では、社員の能力を最大限に発揮できるよう、人事面ではHCM(ヒューマンキャピタルマネジメント)に力を入れているという。同社執行役員 人事担当の松永達也氏は、「IBM自身がハードウェア・ソフトウェアから、サービス中心の事業に変化してきた。これに対応するためにも人材開発を重視している」と説明。IBM全社の人事方針も“業界最高の人材を惹きつけ、動機付けし、保持する”というものになっている。
今回発表された雇用制度の変更は、こうした考え方に基づくものだ。松永氏は、「高年齢者雇用安定法の改正がきっかけとなっているが、雇用制度の多様化を図ることを目的として変更した」と説明。今回の変更では、従来よりあった高度専門職(フェローや認定プロフェッショナルなど非常に高度な能力を持つ人向けの雇用制度)、プロフェッショナルコントラクト(有期雇用契約で、目標達成時の報酬額が大きいのが特徴の雇用制度)、に加えてシニアエキスパートという雇用形態を新設。
シニアエキスパートは、単年度契約で週3~5日勤務する雇用形態。55歳より選択可能で、一度定年退職したのちに単年度の雇用契約を交わすことで、最大65歳まで働く機会を与えるというもの。「日本IBMでは、50歳から定年扱いの退職が選択でき、即時終身年金の受給が受けられる。シニアエキスパートは、こうした年金を受けながらも働く機会を与えるもので、ライフスタイルに応じた働き方を選択できるのが特長」と松永氏は説明する。「スキルを持った人には長くいてもらいたいという気持ちが強い。結果的に2007年問題にも有効」と、間接的に2007年問題にも対応した制度であるとした。
■ URL
日本アイ・ビー・エム株式会社
http://www.ibm.com/jp/
プレスリリース
http://www-06.ibm.com/jp/press/20051027001.html
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( 福浦 一広 )
2005/10/27 13:14
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