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OSDL主要メンバーが会見、「Linuxは企業の中核で使われている」


OSDL議長で、IBMオンデマンドビジネス ゼネラルマネージャーのRoss Mauri氏
 エンタープライズでのLinuxやオープンソースソフトウェア(以下、OSS)利用を推進するNPO(非営利団体)であるOSDL(Open Source Development Labs)が10月27日、米国以外では初となるボードミーティング(企業の取締役会に相当)の国内開催に合わせ、主要メンバーが記者会見を行った。

 OSDLは、エンタープライズ市場におけるLinuxを中心としたOSSの採用促進を目的に2000年に設立された団体で、設立メンバーにはIBM、Intel、 Computer Associates、Hewlett-Packardのほか、NEC、富士通、日立の国内ベンダーも参加した。現在では75の企業・団体が加盟しており、内1/3以上が日本またはアジア企業で、運営に大きな関わりをもっている。また、最初のLinux開発者であるリーナス・トーバルス氏も参画している。

 議長であるIBMのRoss Mauri氏は、今回のボードミーティングの主旨について、OSDLが今後どこに重点を置いて活動するかを話し合ったとし、特に「Linuxがエンタープライズに導入される際、顧客の頭にどのような阻害要因があり、どのように解決できるかを検討した」と述べた。

 OSDLが行っている施策は、名称にLabsとあるとおり当初は技術的な面からのサポートが中心であったが、現在はこれに加えてユーザーや加盟ベンダーからの要求をとりまとめコミュニティに伝える「橋渡し」的な役割、これらの次世代LinuxやGPLへの取り込み、調査、さらに「Linuxの中立的な立場としての声明」を出すことなど、マーケティング的な展開も行っているという。最近では携帯電話へのLinux適用を進める取り組み「Mobile Linux Initiative」を開始している。

 国内では、公共機関でのLinux/OSS導入推進を目的とした調査報告書である「ELPS(Enterprise Linux for Public Sectors)」を9月に国内部門であるOSDLジャパンより発表した。ボードメンバーでHitachi Americaの中西敬一郎氏によると、これは日本語処理やその印刷などにおいて最も厳しい要件を持つ公共機関において、Linuxが使えるかを調査したもので、「結果的に適用可能」という結論に達したとのこと。またここで浮かび上がった課題について解決策を提案していくという。

 また、同じくボードメンバーの1人でNECの大木一浩氏によると、これまでのLinuxを利用したシステム構築をまとめた事例集がないことから、OSDLジャパンの「SIフォーラム」で日本のSIerから事例を収集しWebで公開することなどを計画しているという。

 記者からは「LinuxはWebサーバーやファイアウォールといったところにしか使われていないのでは?」との質問が出た。これに対しMauri氏は、「はじめはリスクの低いフロントエンド部分から適用されているが、ミッションクリティカルなERPやCRMなどのアプリケーションが稼働する部分にもすでに適用されているし、IBMをはじめ各ベンダーでそういった製品やサービスを出している」と述べ、多くの企業の中核でLinuxが利用されているとの認識を示し、日本のOSDLメンバーも同調した。



URL
  OSDL(日本語ページ)
  http://www.osdl.jp/

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( 朝夷 剛士 )
2005/10/27 17:44

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