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富士通、5年ぶりに純利益が黒字に-2005年度中間期連結決算


取締役専務CFOの小倉正道氏
 富士通株式会社は10月27日、2005年度中間期連結決算を発表した。

 売上高は前年同期比1.2%減の2兆1923億円、営業利益は前年同期比142億円増の475億円、経常利益は前年同期比118億円増の158億円、当期純利益は前年同期比158億円増の76億円。「純利益が中間期で黒字になったのは、ITバブル崩壊前の2000年度以来」(取締役専務CFOの小倉正道氏)と、5年ぶりに純利益が黒字になった。

 売上の内訳を見ると、テクノロジーソリューションが前年同期比2.3%増の1兆3440億円、ユビキタスプロダクトソリューションが前年同期比3.5%増の4984億円、デバイスソリューションが前年同期比21.2%減の3360億円となった。

 テクノロジーソリューションを事業別に見ると、システムプラットフォームの売上高は前年同期比2.2%増の3326億円、営業利益は前年同期比30.6%減の35億円に、サービスの売上高は前年同期比2.3%増の1兆114億円、営業利益は前年同期比185.8%増の393億円となった。「システムプラットフォームは、サーバーなどの競争環境の厳しさなどもありほぼ前年並み。サービスは、不採算プロジェクトの損失が大きく減少したことなどの影響を受け、利益は大幅に改善した」と説明した。

 ユビキタスプロダクトソリューションについては、「PCは競争激化により減収、携帯電話は増収となった。また、HDDは海外向けを中心に好調で、2ケタの増収となった」と説明。デバイスソリューションについては、「三重工場の新棟立ち上げ費用などが発生したことと、LSIで競争激化したことなどにより、売上・営業利益ともに減収となった」とした。

 地域別に見ると、国内よりも海外が好調となっている。「欧州は前期大規模案件があった関係で売上高は前年同期比0.7%減と微減となったが、営業利益は前年同期比210%増の63億円と好調。アメリカは、光伝送システムなどにより売上高が前年同期比15.6%増、営業利益が146.6%増という結果となった」と説明した。

 2005年度通期の業績見通しは、4月公表の数値より売上高は500億円マイナスの4兆8000億円に修正したが、営業利益・経常利益・当期純利益の修正は行っていない。「中間期で利益面で改善が見られているが、第4四半期に売上が集中しており、そのリスクを考慮した。年初に発表した(利益の)約束を守る点にフォーカスしたもの」と説明、厳しめにみたものであるとした。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  2005年度(平成17年度) 連結および単独中間決算概要
  http://pr.fujitsu.com/jp/ir/finance/2005h/

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( 福浦 一広 )
2005/10/27 18:45

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