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国内ITサービス市場、成長率が回復傾向へ-IDC調査


国内ITサービス市場産業別規模予測(2004年~2009年)

国内プロジェクト市場産業別前年比成長率推移
 IDC Japan株式会社は11月8日、国内の産業分野別ITサービス市場動向を発表した。

 これによると、2004年の国内ITサービス市場規模は、4年ぶりに対前年比成長率を上回り、対前年比2.9%増の4兆5741億円であった。ITバブル崩壊による企業のIT投資抑制によってここ数年成長が鈍化していたが、国内経済の回復にともなって徐々に改善した。IDCでは2005年以降も安定成長を継続し、2009年までに年間平均4.0%の成長で推移、2009年には5兆5616億円に達すると見込んでいる。

 産業分野別では、小売、銀行、証券・その他金融サービス、製造業などで市場全体の平均を上回る成長を見込んでいる。小売業は、大手企業のチェーン展開の加速やポイントカード導入など、顧客サービスの拡充にともなうIT投資拡大が要因だとしている。金融業は、金融ビックバンの影響を受けた業界再編やサービスの拡張、セキュリティ強化にともなうIT支出の増大、製造業においては設備投資意欲の回復によるIT支出の増加をそれぞれ挙げている。

 SI支出が中心の国内プロジェクトベース市場は、案件の短期・小型化傾向が見られ、ITサービス市場全体と比べて成長は低調で、2004年から2009年までの年間平均成長率は2.6%になると予測している。産業分野別では、小売、製造、通信・メディア、地方自治体、サービス業などが市場全体の平均を上回る成長となる見込み。一方、ITサービス支出の高い増加が見込まれる金融業はアウトソーシングの活用が進んでおり、プロジェクトベース支出は市場全体の平均より低い成長になるとしている。

 IDCはITサービスベンダーに対し、各産業において市場の寡占化が進んでいるため、投資対効果の高いサービス提供や、各産業界の上位企業と組んだアライアンス戦略によって、業界特化型ソリューションのリーディングベンダーとなることが重要であるとしている。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/


( 朝夷 剛士 )
2005/11/08 18:57

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