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自治体情報システム間のオープン連携仕様書、2007年度の公開を目指す


第1回 技術専門委員会の会場風景
 全国地域情報化推進協議会は11月17日、地方自治体の情報システムをオープンに連携させるための基盤作りを目的とした技術専門委員会の第1回目を開催した。

 全国地域情報化推進協議会は、地域情報化施策の全国的な普及・啓発を目指して組織された団体で、地域における複数の自治体や民間の情報システムを連携させるための基盤整備を目的としている。技術専門委員会ではこのうち、サービス連携による高付加価値の提供を可能にするための、Webサービス技術を活用したオープン基盤、「地域情報プラットフォーム」の構築に必要な仕様策定を目的とする。

 今回の会合では、同プラットフォームの仕様策定に向けた目標とスケジュールが3年間の「中期目標」という形で提示・議決承認された。これによると、まず2005年度は全体像やアーキテクチャを明確化した「基本説明書」をリリースし、プラットフォームに含まれる各構成要素を定義するとともに、作成スケジュールを明確化する。

 また翌2006年度には、同一の自治体内に限定したサービス連携を行うための仕様書「V1.0」をリリース。各業務を「サービス」として切り出すとともに、これらを連携させることで、複数業務をまたがった処理を的確に行えるようにする。

 続いて2007年度には、自治体をまたがったサービス連携を実現可能な仕様書「V2.0」を提供する。自治体間だけでなく民間とのサービス連携も視野に入れており、複数組織を連携させての高付加価値業務サービス実現を目指す。

 ここでは連携範囲が複数の団体をまたぐ形になるため、V1.0をさらに発展させた、暗号化や認証などのセキュリティ技術、ネットワーク速度の異なる環境での連携に必要な非同期通信技術、到達性保障などの高度な課題が含まれてくるとのこと。

 あわせて技術専門委員会の事務局からは、「標準仕様は技術的な仕様と業務的な仕様に分けられるが、それぞれの検討において必要とされる知識、スキルに違いがあるため」として、「技術標準化ワーキンググループ」「業務標準化ワーキンググループ」の両組織を設置することが報告された。

 技術標準化ワーキンググループは、通信や運用管理の方式、サービス間の連携基盤といった技術的な仕様を検討するためのもので、富士通が主査を務めるほか、福岡県や日立、マイクロソフト、NTTコミュニケーションズなど20の企業・団体から構成される。

 一方、業務標準化ワーキンググループは、どういった業務が存在し、どのようなデータがやりとりされるか、といった業務的な仕様を検討するための組織。主査はNECで、長野県、仙台市などの5自治体を含む30の企業・団体から構成される。

 両ワーキンググループでは、まずは基本説明書について、専門性に応じた各分担を検討した後に報告案をとりまとめるとしており、現段階では2006年2月までにドラフトを作成する予定になっている。



URL
  全国地域情報化推進協議会
  http://www.jyohoka-suishinkyo.jp/

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( 石井 一志 )
2005/11/18 10:22

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