有限会社ノークリサーチは12月6日、2005年度上期のx86サーバー国内出荷調査報告を発表した。これによると、出荷台数ベースで対前年比17.3%増の23万9100台を計上し、通期で50万台を突破する可能性が高いことがわかった。
x86サーバー市場は、景気の上向きによる投資意欲の上昇などにより好調を維持しており、上期の出荷台数ベースで3年連続2けた成長を記録、通期でもこれに続く見通しだ。ノークリサーチによると「特に製造業や流通業の中堅から大手企業を中心に情報系サーバーの増設利用が目立った。金融業、証券も好調に推移した。また大都市圏を中心としたインターネット関連企業なども需要を牽引している」とのことだ。
金額ベースでも4.3%増の1364億円と伸びを示している。サーバーの平均単価は低価格サーバーの需要が高いため継続的に下落傾向にあるが、2U以上のラックマウントサーバーやブレード型サーバーなども増加しており、下げ止まりの傾向があるようだ。ブレードは全体の7%を占めた。
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国内x86サーバー市場推移(台数ベース)
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サーバータイプ別割合(2004/2005年度上期)
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■ NEC・デルの2強時代突入?
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2005年度上期ベンダー別シェア(外円:台数、内円:金額)
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ベンダー別では、NECとデルが共に台数ベースで23%台を確保する一方で、日本HP・富士通・日本IBMがシェアを落とし「2強時代突入か」とも評されている。
NECは、全国の地域販売店によるチャネル販売と、官公庁や大企業向けの直販力、幅広い製品力、および既存ユーザーの実績による安定感が強みとなっている。また、ブレードでは1000台規模の大口案件を複数受注し実績を高めた。
一方デルは、直販方式による広告展開とWebや電話による企業の情報系サーバーに狙いを絞った展開で好調を維持した。また、製造業大手への大型受注などもあってNECに台数ベースで肉薄した。ただし金額ベースでは台数シェア4位の富士通を若干下回っている。
■ x86サーバーは50万台市場に、ブレードは10%近くに
下期は景気回復もさらに進み、中堅から大企業を中心にサーバーへの投資意欲が高まり、中小企業においても情報インフラ系の導入がさらに進んで、全国規模で導入が活発化することが予想される。加えて、IT投資減税が来年3月で打ち切られる(ただし条件付で延長される見込み)こともあり、駆け込みの需要が発生し、年度末需要と重なることが期待されるという。
また、ブレードの出荷が伸びており、通期で全体の10%近くまで伸びるとも予想されている。クラスター用途以外のサーバー統合や、特にネット関連で急激に増加したユーザーに対応するなど、新規ネットサービス展開している企業などでの需要が最も期待される分野のようだ。ノークリサーチでは、2005年度全体の出荷台数で前年比11.3%増の50万3600台になると予想している。
■ URL
有限会社ノークリサーチ
http://www.norkresearch.co.jp/
プレスリリース(PDFファイル)
http://www.norkresearch.co.jp/05IA12.pdf
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( 朝夷 剛士 )
2005/12/06 12:42
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