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米Intel上級副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏
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インテル株式会社は12月9日、2006年に向けた同社のエンタープライズ戦略の記者向け説明会を開催した。説明会には、米Intel上級副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏が出席。Itanium 2やXeonなどを中心に、企業向けプラットフォームの今後の戦略を説明した。
ゲルシンガー氏は、ムーアの法則を前進させることはIntelにとってのチャンスであると述べ、「プロセッサのトランジスタ数は、386では28万2000、486では100万に、そしてMontecitoでは16億とよりリッチになっている。また、微細化も進んでおり、来年にかけて、製品の半分は65nmに、そして45nm、32nm、24nm、17nmの実証も行っている。いずれは10nmのデバイスを開発する予定であり、このようにIntelは今後10年間のムーアの法則がどう進むのかを理解している」と、ムーアの法則を今後も踏襲していくとした。
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Averillの概要
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ビジネスPCの分野についてゲルシンガー氏は「企業のIT部門がクライアントPC導入時に一定期間ソフトウェアの互換性を保証するSIPP(ステーブルイメージプラットフォームプログラム)や、主要なPCベンダーが参加するインテルプロフェッショナルビジネスプラットフォームなど、非常に成功している」と説明。また、ビジネスPC向けのプラットフォームとして2006年に登場するAverillに触れ、「次世代のAMT(アクティブマネジメントテクノロジ)の採用や、VT(バーチャライゼーションテクノロジ)への対応、デュアルコアプロセッサのサポート、Windows VistaやOffice 12のサポートを実現する」と説明。「次世代の通信機能を搭載しており、セキュリティやマネージャビリティに対応している」と、企業ユーザーにとってのメリットを強調した。
サーバープラットフォームのうち、Xeonについては、「5カ月スケジュールを前倒してデュアルコアのXeonを発表した」と、積極的に取り組んでいる姿勢を示す。2006年に向けては、「新チップセットを搭載したプラットフォームBensleyを用意。Bensleyは、パフォーマンスを2倍以上、ワット当たりのパフォーマンスも3.5倍向上している。ユーザーの資産保護、データ保護なども考慮している」と説明する。特に消費電力と性能のバランスを強調し、「2006年下半期には、WoodcrestやConroe、Meromなど、消費電力を最適化したプロセッサが登場する」とした。特にサーバー向けプロセッサでは、2年以内で3倍のワット当たりのパフォーマンス向上を実現するとしており、「非常にエキサイティングなこと」と述べた。
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Bensleyの概要
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サーバー、デスクトップ、モバイルそれぞれに電力効率を向上させたプロセッサを投入
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Noconaと比較してワット当たりパフォーマンスが3倍向上
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Itanium 2の導入状況
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Itanium 2については、「世界のトップ100社のうち55社以上でItanium 2ベースのシステムが採用されており、RISCリプレースとして導入が進んでいる」と順調に推移していると説明。「特に、NEC、富士通、日立などの日本ベンダーの積極的な取り組みのおかげで、日本市場が一番成長している」と述べた。実際、IDCが調査した2005年第3四半期の出荷金額を見ると、日本市場では、SPARCベースのシステムの1.6倍、POWERベースのシステムの1.17倍、PA-RISCベースのシステムの1.95倍と、RISCサーバーを上回る成果を挙げている。
しかし、Itanium 2は出荷スケジュールが大幅に変更され、次世代Itanium 2のMontecitoの出荷は2006年第2四半期まで延びている。また、生産量の差などもあり、IntelにとってItanium 2はビジネスとしてのメリットが少ないのではないかとの質問を受けると、「ItaniumをIntelから切り離すメリットはない」と明言、3世代先までロードマップも決まっているとし、今後もこれまでと同様に取り組んでいく姿勢を示した。
■ URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
( 福浦 一広 )
2005/12/09 17:39
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