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代表取締役社長のロバート・エンスリン氏
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バリューエンジニアリングで提供されるサービス
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SAPジャパン株式会社は12月13日、2006年1月より「Value Engineering(バリュー・エンジニアリング)本部」(以下、VE本部)を本格的に展開すると発表した。従来、システムやソリューションなど製品価値の提案が中心だったものを、顧客企業のビジネス価値の向上に最優先として活動する。
バリューエンジニアリングは、米国で先行導入された戦略。8月に日本法人の代表取締役社長に就任したロバート・エンスリン氏が立ち上げたもので、「売上の6~7割にバリューエンジニアリングが介在している」(エンスリン氏)というように、米国での売上に大きく貢献した戦略だ。
バリューエンジニアリングで目指すのは、ビジネス価値の明確化によって顧客企業の経営に直結する価値を提供するという点。具体的に提供されるサービスは、1)SAPバリュー・アセスメント・サービス、2)SAPベンチマーキング・プログラム、の2つになる。
SAPバリュー・アセスメント・サービスは、これまでの導入実績や業界分析、顧客調査などを元に、どの程度の効果が得られるかを試算するサービス。このサービスを利用することで、IT投資によりビジネスにどれくらいの効果が得られるかを算出できる。無料で提供され、1~4週間と短期間で行えるのも特長。新規顧客がお試しとして利用するイメージを持っており、リーチを多くすることに効果があると同社ではみている。
SAPベンチマーキング・プログラムは、各業務プロセスを他社と比較することで自社の現状を把握できるプログラム。Webベースのアンケート方式で、業務プロセスごとに、人材やコスト、組織、ITについての定量的なデータ収集と定性的な調査を行える。プロジェクトの導入前後にこのプログラムを利用することで、プロジェクトの効果測定も可能。現状の弱点の把握に効果があることから、SAPの既存ユーザーに役立つプログラムであるとしている。SAPバリュー・アセスメント・サービスと同様、無料で提供される。
VE本部は、顧客対応のほか、同社内でのトレーニングも行う。エンスリン氏は、「これまでのように、ただ製品のよさを伝えるのではなく、顧客企業のビジネス価値をどう高められるかが重要となっている。VE本部だけでなく、全社的に取り組んでいく」と、営業などSAPジャパン全社での取り組みであることを強調。「変化するのは難しいだろうが、社員全員に顧客の価値を最優先にするよう、リーダーシップをとって変革していく」と、強い決意を示した。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
( 福浦 一広 )
2005/12/13 15:25
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