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ネットアップのマーケティング本部長、高沢冬樹氏
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日本オラクルのシステム事業推進本部 営業推進部 Fusion Middlewareグループ担当シニアマネージャー、三原茂氏
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今回提供されるソリューションの全体図。管理ツール「Oracle Enterprise Manager」ではネットアップのストレージまでを対象とできるため、全体をシームレスに管理可能だ
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日本オラクル株式会社と日本ネットワーク・アプライアンス株式会社(以下、ネットアップ)は1月19日、文書管理基盤の提供に関して提携すると発表した。
現在のIT環境では、2008年ごろにも施行が予定される日本版SOX法などへの対応に向けて、企業内の内部統制強化が重要な課題となってきている。一方、日本オラクルでは、コラボレーションソフト「Oracle Collaboration Suite 10g」において、文書データなどのコンテンツを管理する機能を提供している。このソフトと、レコード管理オプションの「Oracle Records Management」を併用すると、コンテンツの削除・変更などを禁止できるようになり、記録として残す必要があるファイルの確実な保管を行えるため、コンプライアンス強化に対して効力を発揮できるという。
しかしこの製品だけでは、一般ユーザーには削除ができなくとも、管理者は通常使用時と変わらず消すことができるほか、ソフトによる制御では、消えてしまわないとも限らない。そこで日本オラクルはネットアップと協業し、同社のWORM(Write Once Read Many:一度書き込むと削除・変更ができなくなる機能)ストレージを利用して、ハードウェアレベルでの確実な保持を行えるようにした。具体的には、バックボーンを構成するプライマリストレージ「FASシリーズ」(SATA HDDモデル)、ニアラインストレージ「NearStoreシリーズ」などと、WORMを実現するネットアップのストレージ向けオプション「NetApp SnapLock」を組み合わせて、より厳格な法規制への準拠を実現している。
これだけを見ると、組み合わせるのはWORMストレージであればなんでもよく、別にネットアップのストレージにこだわる必要はなさそうである。WORMストレージはテープ装置を中心に数多くリリースされているが、ネットアップのマーケティング本部長、高沢冬樹氏は、テープとHDDの価格差がかなり縮まってきているデータを紹介した上で、「爆発的なデータの増大が見込まれる中、(規制準拠のためには)一定時間内に素早くデータを取り出す必要がある」と述べ、テープに対するHDDアーカイブのメリットを主張した。
また高沢氏は、日本オラクルとネットアップならではの「シームレスな製品間の連携」を、このソリューションが優れている理由の1つとして挙げている。両社によれば、この提携で提供されるソリューションについては、米本社同士が開発の段階からかなり密にやりとりを行っているとのことで、その成果として、すでに高いレベルでのインテグレーションが完了しており、システム全体でのファイル保持が保証されていることが強みだという。
高沢氏はこれについて、「(導入にかかる)工数が少なく、すぐに利用できるというのがメリットだ」としたほか、日本オラクルのシステム事業推進本部 営業推進部 Fusion Middlewareグループ担当シニアマネージャー、三原茂氏も「一般に、別々の製品を連携させてWORMを有効にするには、有効期限やリードオンリー属性化などの設定をする必要があるが、このソリューションではコンテンツ管理部分にすべて自動化されている。このように、コンテンツ管理からストレージ、システム管理までが一気通貫で行えるようになっているようなものは、ほかには存在しない」と述べて、有用性を強調していた。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
日本ネットワーク・アプライアンス株式会社
http://www-jp.netapp.com/
ニュースリリース
http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1513
( 石井 一志 )
2006/01/19 18:11
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