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日本AMD、2006年は“ワット性能”で勝負


代表取締役社長のディビッド M. ユーゼ氏
 日本AMD株式会社は1月20日、同社代表取締役社長のディビッド M. ユーゼ氏などが出席し、2006年の活動方針を説明した。

 ユーゼ氏は2006年の活動方針について、「戌(いぬ)年にふさわしくドッグイヤースピードでパソコン市場での普及率をさらに向上させたい」と述べ、「PC」「サーバー/ワークステーション」「コンシューマ」「エンタープライズ」の4つの領域で事業を加速化させるとした。

 PCについては、「今年登場するWindows VistaとAMD64の組み合わせにより、企業やコンシューマの方々にとって64ビットコンピューティングが実現する」と、2006年が64ビット普及の年になると紹介。また、プロセッサのデュアルコア化によって、より高速化し、生産性向上につながると述べた。「AMDのデュアルコアは1999年から手がけてきており、他社のようにあせってデュアルコアに取り組んだものではない。“真”のデュアルコアを提供できるのがAMD」と、他社との違いを強調した。

 サーバー/ワークステーションでは、Opteronが成長していると紹介。「成長しているサーバーベンダーを見ると、どこもOpteronを提供しているベンダーだ」と、企業に選択肢を与えているベンダーが好調であるとした。この理由についてユーゼ氏は、「企業は投資効率、TCO削減に関心があり、これを実現するのがAMDだ。“時は金なり”といわれるが、ITにおいては“性能は金なり”といっていいだろう」と述べ、“ワット性能”が今後大きなキーワードになるとした。「昨年秋に他社も似たようなことを言い始めたが、AMDは99年から言い続けている」と、ワット性能においても業界をリードしているとした。

 コンシューマについては、米国でTurion搭載機が大きく伸びているとし、「この領域でも64ビットのリーダーシップを発揮している。かつてはローエンド製品のイメージがもたれていたAMDだが、2004年以降はハイエンドの位置づけとなった。実際、他社のロードマップを変更させるだけの影響も与えている」とした。また、先日発表されたコンシューマ向けプラットフォームブランドであるAMD LIVE!にも触れ、「64ビットデュアルコアプロセッサがプロシューマだけでなくコンシューマの主流にも受け入れられるだろう」と述べた。


マイクロプロセッサソリューション本部 本部長の多田和之氏
 エンタープライズについてユーゼ氏は、「ROIとTCOを重視する市場だ。きちんと計算すれば、OpteronやAMDのプロセッサを採用したクライアントを選択するのは明らかだ」と述べ、「Opteronを提供しているベンダーが成長しているので、他のベンダーにも採用されるよう活動する」と、Opteron搭載サーバーを増やすとした。また需要そのものを喚起するBDE(市場開発営業)チームを結成し、「日本のトップ2000社への訪問や、評価用の機材提供など積極的に取り組んでいく」とした。

 特に「ワット性能(Performance Per Watt)」をエンタープライズ市場に向け、改めて提言することが発表された。同社マイクロプロセッサソリューション本部 本部長の多田和之氏は、「サーバー台数の増大による消費電力の増大は、原油高による電力料金の上昇なども影響し、企業にとって大きな問題となっている。ワット性能は、システムの選定において重要な要素になる」と述べた。同社では今後ワット性能の重要性を訴求し、ワット性能の高いAMD64サーバーの提案活動を行っていくとした。


2Way Opteronデュアルコアと2Way Xeonデュアルコアの性能比較。性能だけを比べた場合は、31%の差となった ワット性能で比べた場合、ワットあたりの性能で220%と大きく差が開いた

2005年のCPU事業は前年比48%増と大幅成長

取締役の吉沢俊介氏
 あわせて発表された米AMDの2005年通期の決算は、総売上が58億5000万ドルで前年比で17%増と好調な結果となった。そのうちCPU事業のみの売上は39億4000万ドルで前年比48%増と大幅に増加した。特に第4四半期の売上、利益、出荷数が過去最高となっており、同社取締役の吉沢俊介氏は、「サーバー、モバイル、デスクトップともに伸張。特にTurion 64とデュアルコア製品が成長を牽引した」と説明。x86 CPU市場での売り上げベースのシェアについても「第3四半期が12%だったのが、第4四半期は15%まで伸びた」と、市場でのシェアも確実に上昇しているとした。



URL
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.co.jp/

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( 福浦 一広 )
2006/01/20 15:25

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