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「日本市場で一番愛されるx86サーバーを目指します」-日本HP


執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部の松本芳武統括本部長

エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部の上原宏本部長
 日本ヒューレット・パッカード株式会社は1月27日、事業戦略説明会を開催し、その席上で執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部の松本芳武統括本部長は「2006年度は、国内においてナンバーワンのサーバー/ストレージベンダを目指したい」と意気込みを語った。

 米HPは昨年度、カーリー・フィオリーナ氏からマーク・ハード氏へCEOが変わったものの、基本的な戦略はそれまでを踏襲し、順調に成長しているという。第3四半期も前年同期比で二けた成長を遂げたほか、オープン系サーバーやストレージ全体の売り上げではトップシェアの座にある。一方国内では、好調なUNIXサーバー(44.5%)などを背景に、メインフレームを含むサーバー全体で20.2%のシェアを持ち、トップの富士通とは0.3ポイント差まで肉薄したものの、x86サーバーではトップのNECに10ポイント以上の差をつけられた14.9%で3位にとどまっており、この分野でライバルに遅れをとってしまっている状況だ。

 こうした状況を受け、x86サーバーを統括するエンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部の上原宏本部長は、総合ベンダである日本HPの強みを生かした「価格性能比+α」のビジョンをかかげ、「Ecology」と「Economy」の両“Eco”を柱として対抗していくことを明らかにした。

 Ecologyでは、低電圧版Xeonや2.5型SAS HDDを搭載した低電力製品の投入、NTTファシリティーズとの協業による低消費電力型データセンターの設計支援などが軸で、Economyでは、ITオペレーションにかかる時間・コストを削減するための施策が軸となる。このうち後者では、製品をラックインで提供するファクトリーインテグレーションサービスの強化、無償遠隔監視サービスの提供や、HPが得意とするソフトウェア資産を用いた統合管理環境の提供などを積極的に行っていく予定で、上原氏は「Ecoを切り口に、日本市場で一番愛されるx86サーバーを目指す」とした。


エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージ・ワークス製品本部の渡辺浩二本部長
 またストレージ分野ではこれまで同様、単なる箱売りだけでなく、ソリューション提供でより事業を拡大する狙いだ。大規模向けでは、2004年に発売したメールアーカイビング・検索ソリューション「HP StorageWorks Reference Information Storage System」など、ILM(情報ライフサイクル管理)関連ソリューションをより充実させ、顧客のさらなる拡大を目指す。

 さらに中規模向けにおいては、EVAシリーズストレージなどを中核とした仮想化ソリューションの拡大を図るほか、小規模向けには、「LTO Ultriumやオートローダをx86やIPFのサーバーに確実にアタッチし、接続率をあげていく。またコンプライアンス対応のWORMメディアで新規需要を獲得したい」(エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージ・ワークス製品本部の渡辺浩二本部長)としている。

 一方、本来得意としているノンストップサーバーなどのハイエンドサーバーでは、オープンソース系のサポートを強化するという。エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 NonStopサーバ製品本部の浅野勉本部長は、「国内のニーズにあった幅広いポートフォリオのために、ソフトウェア拡張を展開していく。すでに200ほどのアプリケーションがポーティングされているが、さらなる拡張をする」と述べたほか、2月から市ヶ谷事業所内に、稼働検証やポーティングなどを行えるコンピテンスセンターを開設することなどを紹介した。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/


( 石井 一志 )
2006/01/30 10:40

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