|
代表取締役社長のロバート・エンスリン氏
|
SAPジャパン株式会社は1月30日、同社の2006年戦略説明会を開催した。ソフトウェアライセンスの売上を15~17%増と定めるなど、積極的に展開する姿勢を示した。
同社代表取締役社長のロバート・エンスリン氏は、2005年を振り返り、「ソフトウェアプロダクトの売上は前年比8%増、また総売上は前年比7%増と順調に推移した。2001年以来のすばらしい年だった」と好調に推移したと強調。また、昨年7月より開始した開発者・コンサルタント・システム管理者向けコミュニティサイト「SAP Developer Network」に8400名の開発者が参加したことや、ソフトウェアベンダーを対象にした協業プログラム「Powered by SAP NetWeaver」に21社のISVを認定したことも、2005年のトピックとした。
好調の背景として、日本経済の向上が大きく影響しているとエンスリン氏は述べる。「株価が40%上昇するなど環境は整ってきた。企業もビジネスプロセス革新を狙ったIT投資を増やしたり、M&Aによる異種システムの統合や、日本版SOX法対応に向けた動きが起こるなど、SAPにとっても大きな好機が来ている」と、業績拡大の大きな機会があると説明する。
同社では2010年へ向け中長期の目標として、1)業界標準のビジネスアプリケーションのリーディングベンダーを目指す、2)パッケージソフトの利用度が低い、金融・公共・小売の3業種での最大のソフトウェアライセンス提供ベンダーを目指す、3)中堅市場を対象にパートナービジネスを確立し、すべての業種・地域へビジネス範囲を拡大する、4)SAP BPP(Business Process Platform)を確立し、広範囲の業種・業務に対して付加価値の高いソリューションを提供する、の4点を掲げた。また、2006年については、1)顧客価値の向上、2)パートナーと共に成長、3)人材の最大活用とさらなる能力開発、4)技術革新、の4つを挙げ、展開するとした。
同社が目標としているように、金融・公共・小売などの業種を中心に日本では自前のシステム開発にこだわる傾向が強い。同社副社長 営業統括本部長の内田久氏は、「産業別にSAPが展開しているグローバルソリューションを使うメリットを示すとともに、ユーザー個別に対応するカスタマーディベロップメントチームによって取り組んでいく」と説明。ソリューション面では、「ESAならば、パッケージのよさを生かしながら、柔軟性を向上させられるので、手作りのシステムにも対応できる。機能面でも強化を進めており、他の業種で行ってきた取り組みをこれら3業種で展開する」(バイスプレジデント ソリューション&マーケティング統括本部長の玉木一郎氏)と、ワールドワイドの仕組みとESAを生かした取り組みを行っていくことで対応する考えであるとした。
2010年までの中長期の数値的な目標についてエンスリン氏は、「具体的なものはまだないが、カスタマーベースで4倍、売上の50%は新規顧客となるように活動する。2006年については、ソフトウェアライセンスの売上を15~17%増加させたい。これは実現可能なゴールと見ている」と、強気の数字を掲げた。最後に「顧客企業の基本ビジネスを伸ばすことを支援するのが、われわれの目標。これを実現し成長するためにも、スピードと迅速性と情熱を持って取り組んでいく」とした。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
プレスリリース
http://www30.sap.com/japan/company/press/press.epx?PressID=5597
( 福浦 一広 )
2006/01/30 18:29
|