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「もはや“競合”はない」と語る、米Foundry ジョンソンCEOの自信の源は?


今、米Foundry Networks(以下、Foundry)が元気だ。同社製品を導入している企業・組織は「世界中で9300社に達した」。特に、2005年度第4四半期は、新たに427社の新規ユーザーを手中におさめたとのことで、このままいくと、創立10周年にあたる記念すべき時期の5月ごろには、1万社の大台を突破すると見込みという。今回は、10Gigabit Ethernetスイッチ「ServerIronGT」やスイッチングルータ「NetIron MLX」といった新製品発表などをかねて来日した、社長兼CEOのボビー・ジョンソン氏に同社の近況を聞いた。


2005年第4四半期に達成した最高記録

社長兼CEOのボビー・ジョンソン氏
 ジョンソン氏は開口一番「先の第4四半期では創設以来最高の売り上げ、1億1610万ドル(従来の最高は1億1300万ドル)を達成した」と高らかに言い放った。この結果、現金は7億5000万ドルを確保し、社員1人あたり100万ドル以上になったという。「もちろん負債はいっさいなく、ネットワーク業界でもかつてないほどの快挙」と胸を張る。

 また、同四半期では大型ルータをサービスプロバイダ向けに100台以上販売した。NetIron40GやNetIron IMR、NetIron XMR、BigIron RXなどが健闘したたまもので、そのうち20台は日本におけるものだという。さらに、レイヤ4-7におけるトラフィックマネジメント製品も最高を記録し、全売り上げの10~12%を占めるまでになった。「2006年中には大型ルータの販売をさらに300~500台以上確保させたい」とジョンソンCEOは強気だ。

 第4四半期だけでこれだけの実績を確保できたのは、日米ともに景気がよかったことや、サービスプロバイダ自体の収益も向上していったことなどもあるが、同社にとってみれば「やはりレイヤ4-7の記録的な売上げがあったことによるものが大きい」という。


新たにセキュリティソリューションへも熱意

 Foundryはこのところ、セキュリティソリューションにも意欲的だ。同社のビジネススタンスは、顧客の既存セキュリティインフラに、さらに付加価値をもたらそうというもので、2ステップで考えられている。つまり、顧客がすでに使用中のファイアウォールで対処仕切れないDoS攻撃防止や、アプリケーションレベルにおけるセキュリティ確保を、SecureIronシリーズによりフォローさせようというもので、これでまずは顧客がすでに投資した資産を保護できる。これがステップ1だ。

 そしてステップ2では、セキュリティデバイスとLANスイッチを統合させようとしている。これは、ユーザーが所有する全ポート、すべてのパケットに向けたセキュリティソリューションである。「SecureIronのLANスイッチおよびトラフィックマネジメントなどでこれらの性能を実現させるが、ここまで引き出せる競合ベンダは他にはないはず」と断言する。


日本市場拡大のための増強戦略

今回Foundryが日本で発表した「NetIron MLX」ルータ
 現在はFoundryの売上げ中、12%は日本が占めており、これは米国に次いで2位である。日本では、エンドユーザーやリセラーに向けたサポートを主としてビジネスを展開しているが、さきごろ日本オフィスを、これまでの3倍以上のスペースに拡張した。社員数も現在14人(世界では780人、米国本社で430人)だが、年末までには30人に増強させる構え。これにより、エンドユーザーのリセラー選択の際などに、きめ細かいアドバイスも可能となるなどサポートを強化でき、より顧客サービスの向上を狙える。

 また今、他国におけるコールセンターサービスは、本社のあるカリフォルニアに接続してそこでサポートしているが、日本では米国と並んで顧客向けコールセンターを所有しており、国内だけでのサポートが可能だ。そのほか日本では、Interop TokyoやNET&COMなどのイベント対応、セミナー開催なども積極的に取り組んでいる。

 ジョンソン氏ほど、来日機会の多い海外ベンダCEOも例をみないのではないか。「今後も自分はじめ会社関係者たちが頻繁に来日し、新製品を紹介するなど、多角的にビジネスを行いたい」という。それほど日本市場への思い入れには強いものがある。


競合ベンダの動向はもはや眼中にはない?

 ジョンソン氏の目は、早くも年末に向けられているようだ。そのころまでに「新世代機として、NetIron XMRの2倍のパフォーマンスを持つハイエンド機などを投入する」とほのめかす。「既存のXMRですら、すでに業界平均の2倍のパフォーマンスを実現しているが、当社現行製品の2倍を実現させることは、これまでの技術力をもってすればきわめて容易なこと」と自信たっぷりだ。

 こうした技術力の背景は、昨年の実績に裏打ちされているという。「昨年1年間だけでFoundryが発表した新製品数は業界でトップ。当社より多く投入できたベンダなど存在しない」(ジョンソンCEO)。このように、投入した新製品数が多いことにジョンソン氏がこだわるのは、同社の技術力やR&Dが競合ベンダを上回る証になると確信するからで、2006年はさらに昨年以上の新製品数を投入するという意欲に燃えている。加えて、このほど全Ethernet標準の発展・促進を支援するETHERNET ALLIANCEへの参加も表明するなど、さらなる熱意を示す。

 ジョンソン氏は「今では、常に名が挙がる競合ベンダに対してさえ、Foundryは差をつけており、もはや競合という感じはしない。その証拠に過去7年間、毎年黒字を続けているのはFoundryだけだ。この堅持のために今後も、企業や顧客、パートナー、製品に投資を続ける」と言い切る。

 「Foundryという会社名をいま一度見直していただきたい。これは、もともと鋳造などの意。つまり、非常に堅牢な製品をつくる当社のストラテジーだ。さらには、製品はみな高速なのにもかかわらず、値ごろ感もいい。車でいえばポルシェだ」と、改めて同社の基本理念と今後のビジネス展開に自信を深めている。



URL
  米Foundry Networks
  http://www.foundrynetworks.com/
  ファウンドリーネットワークスジャパン株式会社
  http://www.foundrynetworks.co.jp/

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( 真実井 宣崇 )
2006/02/09 11:03

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