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日本IBM、2005年決算を発表-ハイエンドサーバー分野で2けたの減収


日本IBM 大歳卓麻社長
 日本アイ・ビー・エム株式会社は2月23日、2005年1月~12月の商法連結決算を発表した。

 国内の売上高は、前年比9.8%減の1兆2635億8900万円。輸出を含む総売上高は前年比10.8%減の1兆3026億8100万円。営業利益は前年比19.3%減の1227億1800万円、経常利益は21.2%減の1191億4400万円、当期純利益は3.2%増の877億2700万円となった。

 最終利益は黒字となったものの、これは東京・六本木の本社事業所の売却などによる特別利益として311億円を計上したため。それを除くと減収減益という厳しい内容となった。

 また、売上高の減少に関しては、レノボへの国内パソコン事業の売却が影響したのが最大の要因としているが、それを除いたとしても、前年比5%減と前年実績を割り込んでいる。

 パソコン事業の売却の影響で、パソコン関連部品の輸出が減少。これも総売上高の減少に影響しているという。


 同社によると、ハイエンドサーバー事業において大型案件が減少したことでハードウェア事業が8%の減収。また、サービス事業では、競争激化と案件の小規模化によって5%の減収になったという。

 その一方で好調だったのが、同社が戦略的成長分野として取り組んでいるBTO(ビジネス・トランスフォーメーション)事業。「オムロン、三洋電機、パイオニアといったユーザーとの契約によって、対前年比で約80%の増収と、2004年に引き続き大きく成長した」(同社)としている。

 また、ソフトウェア事業が1%増となり、なかでもミドルウェア製品が好調。「システム管理ソフトのTivoliや、開発ツールのRationalが大きく売り上げを伸ばした」という。

 ハイエンドサーバーが不振だったハードウェア分野では、zSeries、iSeries、pSeriesがいずれも2けた台のマイナス。「製品単価の下落とともに、2004年には、金融分野における大型案件や、2000年問題にあわせて導入されたシステムのリプレースが集中したことで、2005年はその反動もあった」としている。

 だが、Linux搭載のメインフレームサーバーが前年比約90%の増収。また、xSeriesもブレードサーバーが好調に推移し、前年比で1けた台の成長となった。

 同社がニューワークロードとするメインフレームによるLinuxやERPなどの比率は3割を占めたという。米国ではニューワークロードの比率が6割に達しているだけに、国内における今後の開拓が注目されるところだ。

 一方、大和研究所を核として、顧客の要望に応じてデジタル家電製品などの開発の一端を担い、組み込みハードウェアなどの開発委託製品を提供するE&TS(エンジニアリング&テクノロジー・サービス)は、売上高で前年比60%増となった。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/


( 大河原 克行 )
2006/02/23 19:32

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