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同志社大学とマイクロソフト、WindowsベースのHPCを用いたコンソーシアムを設立


マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏と同志社大学学長の八田英二氏
 同志社大学とマイクロソフト株式会社は3月8日、「Windows HPCコンソーシアム」を設立すると発表した。参加企業は、マイクロソフトのほか、株式会社ケイ・ジー・ティー、株式会社ソフトウェア クレイドル、株式会社ティージー情報ネットワーク、ビジュアルテクノロジー株式会社。発足は4月1日。

 コンピュータの処理速度の高速化と低価格化に伴い、15年前のスーパーコンピュータと同程度の処理能力を持つPCが40万円以下でも入手できるようになっている。しかし、HPCを実現するには、専門的な知識が必要とされており、なかなか一般的な利用が難しいのが現状だ。

 全体の運営・推進を行う、同志社大学工学部知識工学科 教授の三木光範氏は、「同志社大学では、2001年のPentium IIIを用いたHPCをはじめ、2003年にはOpteronを用いたHPCで当時日本最速のPCクラスタを実現するなどの実績がある。この実績から、多くの企業の注目を集め、計算処理などの相談を多く受けている。しかし、計算サービス会社ではないため、依頼を受けても対応できず、またLinuxベースで構築されたHPCを一般企業でそのまま利用してもらうには、管理面で大変であった。そこで、一般的なWindowsをベースとしたHPCサーバーを検証することで、HPCを一般企業でも利用できるようにすることを目的に、Windows HPCコンソーシアムを設立することになった」と、設立までの経緯を説明する。


同志社大学工学部知識工学科 教授の三木光範氏
 Windows HPCコンソーシアムでは、マイクロソフトが開発しているHPC向けプラットフォーム「Windows Compute Cluster Server 2003(以下、CCS 2003)」を利用して、システム検証を実施する。検証参加企業は一般から公募し、システム要件の調査などを経て、コンソーシアムで検証作業が行われる。検証環境は、同志社大学京田辺キャンパス内に設置され、16~32ノードの環境が構築される予定。参加企業数は10~20社程度を想定しているが、「セミナーなどの開催により、多くの企業に参加していただけるようにしたい」(三木氏)としている。

 三木氏は、「これまでのHPCは非常に高価で、中小企業では使いたくても使えなかった。今回の取り組みにより、すべての企業にHPCが普及し、全産業が恩恵を得られるようにしていきたい」と、意欲を示した。


Windows HPCコンソーシアムの概要 検証企業の選定プロセス

 マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏は、「現状のHPC市場は、規模も大きくなく商業面では魅力的な市場とは見ていない。われわれとしては、CCS 2003の投入により、新しい市場として広げていくことを考えている。まずは、HPCの環境を提供するところからはじめたい」と、長期的な取り組みであることを強調。

 同志社大学学長の八田英二氏は、「今回のコンソーシアム設立は、社会に貢献できる内容であることと、連携の成果が学生の教育・研究に還元できるものであることから決定した。マイクロソフトとのコラボレーションにより、応用計算科学の普及と次世代のものづくりを支える高度専門エンジニアの教育・養成につなげていきたい」と、相乗効果が得られる取り組みであるとした。


マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏 同志社大学学長の八田英二氏


URL
  同志社大学
  http://www.doshisha.ac.jp/japanese/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2608

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( 福浦 一広 )
2006/03/08 14:35

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