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「ビジネスの価値を引き続き提供していく」-マイクロソフトのエンタープライズ戦略


執行役常務 エンタープライズビジネス担当の平井康文氏

エンタープライズ分野におけるPlan-J

インフラストラクチャ最適化モデルの4つのクラス。残念ながら、日本企業の9割は「基本」もしくは「標準化」の段階だという
 マイクロソフト株式会社は3月17日、記者向けの説明会を開催し、執行役常務 エンタープライズビジネス担当の平井康文氏が、エンタープライズビジネス戦略について説明を行った。

 平井氏によれば、ここ3年、製品や機能の価値ではなく、ビジネスの価値を顧客により届けていくという方針が評価されるようになってきているという。そしてさらに今後3年間、マイクロソフトが日本市場への投資拡大などをコミットした基本方針「PLAN-J」の一部として、この取り組みをさらに推進していくとした。

 具体的には、3つの枠組みで取り組む。1つ目は「よりミッションクリティカルなIT基盤での投資拡大を進めていく」ということ。また「エンタープライズビジネス分野での、マイクロソフトへの顧客の理解度を高めていく」こと、そしてIT環境の多様化に対応するため、「製品単位ではなく、スペシャリゼーションを進めた業種別の統合プラットフォームとして提供していく」こと、の3つがそれだという。

 また、敏しょう性を持ってビジネスのかじ取りをするためには、しっかりとした基盤が必要との立場から、「IT基盤の最適化」を支援するとともに、その上にのる6つのシナリオを用意。各シナリオは単体製品ではなく、ソリューションシナリオとして製品と製品を組み合わせて、テーマを持たせた形で提供する。

 このうち基盤の最適化に関しては、ポリシーがない「基本」の段階から、「標準化」、「合理化」を経て、コスト最適化がなされ、どこにいても同じように社内アプリケーションにアクセスできるようになった完成形、「動的」までの4つに段階を分類。さらに、現状を把握した上で確実にステージを上げていけるように、ユーザー、プロセス、技術の3つの視点ごとに目標を設定し、それぞれにおいてユーザーの支援をしていくとした。

 またこうしたインフラストラクチャ最適化モデルの上にのるシナリオとして、1)モバイルワーク、2)報検索による仕事力、3)顧客対応のためのチームワーク、4)業務プロセスの可視化と管理、5)コンプライアンスとコーポレートガバナンス、6)迅速な経営管理、の6つのシナリオを用意する。

 例えば5)においては、Active DirectoryやMOM 2005を用いたインフラの整備統合、Officeを利用する内部統制プロジェクト、.NETベースの業務アプリケーション基盤などがコンポーネントとして含まれる。平井氏は「内部統制というと『管理』されるというイメージが強いが、統制されているからこそ、生産性が向上するという考え方もある」として、法規制をポジティブにとらえることも重要だという考え方を示した。

 また同社では人にフォーカスしていくという。平井氏は、「貴重なアセットとして中核に“人”を置く。人が交渉し判断し、交渉を行う。これがビジネスを作っていく、というのがエンタープライズ分野におけるキーメッセージ。“人財”がビジネスの成功をもたらす」と述べている。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/

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( 石井 一志 )
2006/03/20 09:18

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