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2005年の国内ITアウトソーシング市場は7%増-IDC Japan調査

業務改善や事業強化につながらないサービスは価格低下も

国内ITアウトソーシング市場規模予測(2005年~2010年)
 IDC Japan株式会社は3月23日、国内ITアウトソーシング市場規模予測を発表した。これによると、2005年の国内ITアウトソーシング市場規模は、対前年比7.0%増の1兆7863億円となった。

 国内ITアウトソーシング市場は、企業の情報システムに関する「コスト削減」「技術・要員の補填」「安定運用」に対する期待から高い成長を続けており、2005年3月期のITアウトソーシング売上高では、主要サービスベンダー15社のうち7社が2ケタ成長を達成している。

 しかし、契約更新時期を迎えた案件では、サービス内容や価格の見直しが増えており、特にユーザー企業の業務に改善・改革をもたらさない現状維持を主体としたサービスについてはサービス価格の低下も見られるとしている。これに対し、ユーザー企業の業務改善や事業強化につながるサービスは高い関心を集めており、こうしたサービスが市場促進の大きな要因となっていると分析している。

 2006年以降の国内ITアウトソーシング市場については、2005年から2010年の年間平均成長率を6.2%、2010年には2兆4092億円に達すると予測している。ITサービス担当シニアマーケットアナリストの松本聡氏は、「経済不況下では『コスト削減効果』がITアウトソーシング市場を牽引したが、今後は『市場環境の変化に対応した迅速なシステム拡充』が重要性を増す。サービスベンダーはITアウトソーシングがユーザー企業にもたらす価値を多角的に検証し、情報システムに対する効果だけではなく、ユーザー企業の各業務・事業への影響を訴求したサービス開発が重要となってくる」と述べている。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/


( 福浦 一広 )
2006/03/24 11:00

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