「Dellは市場の成長率を上回る成長を続けている。今後もデルモデルにフォーカスすることで成長を続けていく」、米Dell会長のマイケル・デル氏は、3月24日に行われた記者懇親会の席で、あらためてデルモデルの優位性を強調した。懇親会には、デル株式会社代表取締役社長の浜田宏氏も同席し、同社の現状および今後の戦略についての説明が行われた。
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米Dell会長のマイケル・デル氏(右)とデル代表取締役社長の浜田宏氏
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デル氏は2月に発表された2005年の業績に触れ、「総売上高は560億ドルで対前年比14%の成長を達成した。これは市場の平均成長率を上回る成長」と、デルモデルはまだまだ有効であることを強調した。特に日本を含むアジア太平洋地域で高成長を続けていると説明。「第4四半期の日本/アジア太平洋地域の出荷台数は前年同期比27%増、売上高は前年同期比21%増となった」と、日本およびアジア地域が同社の成長を支えているとした。
成長を支える分野としては、エンタープライズとサービスを挙げる。浜田氏は、「サーバーでは、レガシーシステムからの移行という流れに沿って、ラックサーバーやブレードサーバーが伸びている。また、プロフェッショナルコンサルティングサービス、ハードウェア、アフターサービスのセットにより、最適なソリューションを提供している。デルはつねに正しい時期に正しいソリューションを提供することで成長している」と説明、日本国内で、サーバーのシェアナンバーワンを獲得するのは間近であると述べた。
会見では、Windows Vistaのコンシューマ向け出荷の遅れについて質問がでたが、「Dellの製品の多くは企業向けであるので、正直あまり驚きはなかった。11月出荷を進めた場合、混乱が起きるのではないかとおもっていたので、よく決断したとおもう」(デル氏)と述べ、自社製品への影響は軽微であるとした。ただし、Windows Vistaそのもののインパクトは大きいと述べ、「(PC需要に)前向きな要因をもたらすだろう」と、期待を表明した。
また、AMD製プロセッサの採用については、「われわれはIntelと排他的な関係は持っていない。しかし、新しい発表ができる段階にはまだない」(デル氏)と述べ、具体的なAMDプロセッサ搭載マシンには触れなかった。
今後の戦略について、デル氏は「成長しているエンタープライズ関連でのR&Dを行っている。また、中国やインドといった新市場での成長も促進し、シェアを獲得していく」と説明。「クライアントまわりやソフトウェアでも力を入れていく」とした。
■ 浜田社長「デルの成長により日本のITの民主化に貢献できた」
4月に退任する浜田氏についてデル氏は、「95年の入社以来、11年間仕事をしていただいた。その間、95年は9位だったシェアを3位まで伸ばし、また売上高も5倍にもなった」と、高く評価した。
デルでの活動について浜田氏は、「インターネット販売、24時間サポート、サプライチェーンなど、デルはIT業界ではじめてのことを実現してきた。個人的に、デルは日本のコンピューティングライフを成長させたとおもっている」と、ITの民主化に貢献できたと述べた。
浜田氏は、今後は顧問として同社と関わっていく予定。「デルのシェアが上がることは、ITの民主化につながると信じている」と、これからもデルを支援するとした。
■ URL
デル株式会社
http://www.dell.com/jp/
( 福浦 一広 )
2006/03/24 17:48
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