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米Brocade CTOが語る「次世代データセンターの課題」


米Brocade Communications SystemsのCTO兼副社長、ダン・クレイン氏
 ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社は3月31日、記者向けの説明会を開催した。その中で米Brocade Communications Systems(以下、Brocade)のCTO兼副社長、ダン・クレイン氏は、Brocadeの目指すビジョンを説明したほか、3月6日にBrocadeが買収を発表した米NuViewの製品を自社のFAN(ファイルエリアネットワーク)ソリューションの一部に位置付けて、展開していくことを明らかにした。

 クレイン氏によれば、データセンターで必要とされる要件は、1)広範な接続性、2)データとアプリケーションのモビリティ、3)あらゆるファイルの集中管理、の3つだという。

 このうち1)は、さまざまなストレージが管理された形で確実につながることだという。Brocadeはこれを実現するために、SANスイッチはもちろんのこと、iSCSIやFCIPのゲートウェイ装置、拠点に分散するストレージを集約するためのWAFS(Wide Area File Services)ソリューション「Tapestry WAFS」を提供するなど、多くの製品を提供してきたという。クレイン氏はこうした製品によって実現されるストレージの共有で、コストの削減が見込めるとしたほか、集中管理のメリットが出ると説明した。

 次の2)では、この流れを受け、ディスクレスサーバーがトレンドになるとした。OSやアプリケーションをすべて共有ストレージ内に配置するディスクレスのアプローチを利用して、動的にリソースを割り当てる運用を行えれば、リソースの使用効率を改善することが可能になる。クレイン氏はこのために「Tapestry ARM」を提供していると説明。「アプリケーションのモビリティを確保できる、業界初のSANベースのサーバー管理ソリューションだ」とした。

 一方データに関するモビリティを実現するために、データマイグレーションソリューション「Tapestry DMM」を提供するほか、富士通との協業で仮想化スイッチ「VS900」をリリースしていることに触れ、ネットワークベースのストレージ仮想化に関しても力を入れていると説明している。

 最後の3)では、「あらゆるところにファイルが存在し、管理することが非常に困難」(クレイン氏)な状況を打開するために、Tapestry WAFSとNuViewのソフトウェア製品群を利用していくという。Brocadeでは、ブロックベースだけでなくファイルベースに対しても技術を提供し、一貫した管理手段を持ちたいという声に応えていくとした。

 具体的には、グローバルネームスペース(大域的名前空間)を実現する「Storage X」、ポリシーベースのファイル移動をサポートする「FLM」、ファイル内でのリンクを管理する「UNC」などを利用していく。特にグローバルネームスペースのサポートが実現すれば、ユーザーはデータの物理的な位置を意識することなく、自由にそのデータへとアクセスできるようになるため、実利用面・管理面の双方において利便性が向上する。

 「企業において、業務データがもっとも重要な資産だが、そのアクセス基盤として共有ストレージが中核になる。当社では、問題を解決するための新たな価値を顧客に提供できるだろう」(クレイン氏)。



URL
  ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社
  http://www.brocadejapan.com/index.php
  米Brocade Communications Systems
  http://www.brocade.com/index.jsp


( 石井 一志 )
2006/03/31 17:22

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