最新ニュース
岐阜大学、Macromedia Breezeによるインターネット型遠隔教育システムを開始
国立大学法人岐阜大学では、インターネット型の遠隔授業のプラットフォームとして、アドビシステムズ株式会社(以下、アドビ)の「Macromedia Breeze」を採用した。同大学では4月から、Breezeを利用した「働きながら学ぶ教師のためのインターネット型大学院」を開始しているが、次年度には、対象を7専修に増やしていくという。
BreezeはFlashの技術をベースに、Web会議、オンラインセミナー、オンデマンドプレゼンテーションなどを実現する製品である。もちろんe-Learningを実現するための機能も豊富で、コンテンツの配信、受講者の管理、履修の管理などを一元的に行うことが可能となっている。また、BreezeのコンテンツはPowerPointなど使い慣れたツールで作成することができるため、コンテンツ製作のトレーニングにかかる負担を大幅に軽減できる。
これまでも岐阜大学では、受講者がサテライト教室において、テレビ会議システムによる講義を受けることのできる遠隔教育を実施していた。しかしテレビ会議システムでは、受講者が決められた時間にサテライト教室に向かわなければならないというデメリットがある。そこで、インターネット型の遠隔教育システムの導入を決定したという。
このような遠隔教育の実現は、2001年の大学設置基準改正の際に緩和された遠隔授業の規制が大きく影響している。岐阜大学 総合情報メディアセンターの加藤直樹教授は「従来“同時に双方向”での授業のみが遠隔教育として認定されていたため、事実上サテライト型のテレビ会議システムしか存在しなかった。しかし規制が緩和されて、同時に双方向でなくても、一定の条件を満たしていれば遠隔授業として行うことができるようになった」と語る。
岐阜大学では2003年ごろから複数の製品を比較検討した結果、既存のe-Learningシステム(AMIS-Gifu)との統合が容易で、コンテンツが製作しやすく、しかもクライアント側はWebブラウザとFlash Playerのみで実現できるBreezeの採用を決定した。また、加藤教授はBreezeのメリットとして「高品質の音声や映像の配信が可能」「遅延が少ない」「ライブ講義やコンテンツの作成が同じ製品でできる」といったポイントも挙げている。
なお、2006年は少人数で行うゼミでのみBreezeを利用し、専門の講義では従来のテレビ会議システムを利用するというが、将来的には、Breezeによるインターネット型の授業を拡大していく予定であるとのことだ。
■
URL
国立大学法人岐阜大学
http://www.gifu-u.ac.jp/
アドビシステムズ株式会社
http://www.adobe.co.jp/
Breeze採用のニュースリリース
http://www.adobe.co.jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200604/20060404gifu.html
■
関連記事
・
マクロメディア、Flash対応のプレゼン/Web会議ツールを国内投入(2004/05/18)
・
マクロメディア、アプリを操作するだけでFlashムービーを作成できるツール(2004/11/16)
・
マクロメディア、Webコミュニケーションシステム「Breeze」の最新版(2005/07/04)
( 北原 静香 )
2006/04/05 19:10
Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.