|
代表取締役社長の木村裕之氏
|
株式会社シマンテックは4月11日、今月初めにシマンテック株式会社とベリタスソフトウェア株式会社が国内でも統合されたことを受け、プレス向けの説明会を開催。その中で代表取締役社長の木村裕之氏は、「ネット社会を安全に、安心にしていかねばならない。それが、新生シマンテックの使命だ」と述べたほか、「2010年に1000億円の売り上げが目標」と、大まかながら目標を示した。
シマンテックの米本社である米Symantecと、ベリタスの米本社だった米VERITAS Softwareは、2005年7月2日に合併し、新生Symantecとして事業を開始した。それに伴い、国内法人でも統合を前提に活動を行ってきており、ここにきてようやく統合が完了している。
この両社のうち、シマンテックはもともと、ウイルス対策をはじめとするセキュリティ製品を、ベリタスはストレージ管理やバックアップソフトなどによって“企業を内から守る”ソリューションを提供していた企業であり、木村社長は「両社の統合で、大切な情報を安全に守ることが可能になった」(木村社長)と説明。
「ITのインフラそのものをきちんと守ることが、最大のミッション。また顧客の情報資産を保護するとともに、エンターテイメントからビジネスに至る、あらゆる双方向のトランザクションを守っていく」(木村社長)とも述べ、今後の同社の活動指針を示した。
統合後の初年度であるFY07の戦略としてはまず、営業面において、3つの柱を設けて展開するという。1つ目はハイタッチセールスの強化で、ITインフラ全体の対応が可能になったことを受けて、特にハイエンド領域において顧客との関係を密にしていくほか、2つ目としてパートナーとの関係を強化し、ソリューション展開の広がりを狙う。この領域では、ハイエンドに強い主に旧ベリタス系製品を扱っていた強いパートナー、ミッドマーケットに強い主に旧シマンテック系製品を取り扱っていたパートナーに対して、これまでと別系列の製品に関する訴求を進めていくという。
さらに3つ目の施策として、「(個々の)製品がだんだん難しくなってきた」(木村社長)ことを受け、製品に特化した営業能力を持っている部隊を作り、製品を軸とした営業展開を進めていくと説明している。
一方、サービス事業の本格的な展開を図るため、ASP部門、コンサルティング部門、MSP・モニタリング部門を強化していくとのことで、特にコンサルティング部隊は人員倍増を計画。「パートナーとともにサービスビジネスを立ち上げていきたい」(木村社長)と話した。コンシューマ向けとしては、先に構想が発表されたセキュリティサービス「Genesis」(コードネーム)もここに入る。
またマーケティング担当の執行役員、チャールス・ニキエル氏からは、ITコンプライアンス、メッセージ管理、統合脅威管理の3つを規模・業種にかかわらない横断的な重点マーケットとして展開していく旨が説明されている。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.com/region/jp/
■ 関連記事
・ 合併したSymantecとVERITAS、国内では当面従来の体制を維持(2005/07/07)
・ シマンテック、“統合の成果”第1弾はメール管理、今後の展開は?(2005/11/01)
・ シマンテック木村社長、「安全・安心・信頼できるITを提供」(2005/12/22)
( 石井 一志 )
2006/04/11 16:25
|