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IPA、オープンソース情報を集約したDBサイト開設

性能評価情報、導入事例などネット上で公開

IPA OSSセンターの田代秀一センター長
 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は5月15日、オープンソースソフトウェア・センター(OSSセンター)の活動全般を通じて蓄積した情報を集約したオープンソース情報データベース「OSS iPedia(オーエスエス アイペディア)」を、インターネット上で一般公開したことを発表した。アドレスはhttp://ossipedia.ipa.go.jp/

 OSS iPediaは、インターネットを通じてOSSに関する最新の技術情報や事例情報などをタイムリーに発信するための基盤として開設したデータベースサイト。IPA OSSセンターの田代秀一センター長は、「OSSセンターでは今年1月の設立以来、OSSの普及促進、基盤整備、そして情報の集約・発信という3つの柱で活動を行ってきた。今回のOSS iPediaは、これらの活動で得られた情報をデータベース化し、オープンなインターネット環境で公開するもの。これによって、OSSに関するあらゆる悩みを解消していく」と説明した。

 OSS iPediaで公開される情報コンテンツは、「性能評価情報」、「導入事例情報」、「ナレッジベース」の3種類。「性能評価情報」では、IPAが2004年から進めてきた「信頼性・性能評価手法及び障害解析ツール」をベースに、その公開情報の強化と整備を行うとともに、新たに検索エンジンを実装することで利便性の向上を図っている。

 具体的には、当初約200件の登録情報の中から、性能評価方法や評価対象ソフトウェア、OS、サーバー種別など30を超える検索項目を任意に指定することで、システム構築や性能見積もりなどに必要な評価レポートおよび評価用データを簡単に入手することができる。

 導入事例情報としては、当初16社から登録された約70件のシステム構築事例を収録。業種やシステムの用途・規模など100を超える検索項目に対し、任意の検索条件を指定することが可能となっている。

 ナレッジベースは、「Q&A」、「用語集」、「ディレクトリ」から構成され、OSSに関連する基本的な情報や最新トピックスなど約400項目を公開している。


OSS iPediaの構成 シンプルでわかりやすいOSS iPediaのトップ画面

IPA OSSセンターの岡田良太郎研究員
 IPA OSSセンターの岡田良太郎研究員は、「iPediaでは、コアな開発者だけでなく、これからOSSを理解しなければならない方や、OSSに関する正しい知識を必要とされている方も重要なターゲットとして考えている。シンプルでわかりやすい画面構成と豊富な情報量、使いやすい検索機能によって、OSSにかかわる幅広い方々をサポートしていきたい」と述べている。

 なお、性能評価情報と導入事例情報については、いずれも利用者がOSS iPediaサイト上から新たな情報や事例を登録することが可能で、IPAが内容を審査した後、順次データベースに登録・公開していく。

 今後は、「OSS開発者」、「OSS提供者」、「OSSユーザー」の間で、開発成果や技術の公開、サービスやノウハウの提供、ニーズのフィードバックや協力支援など、相互補完・互助を推進するOSSエコシステムの基盤としての活用を促進していく考えで、「公開後も利用者からの意見・要望、登録情報を基に、さらなるコンテンツの拡充やシステム改良を行っていく。また、コミュニティやセミナーなどの普及啓蒙活動にも力を注いでいきたい」(田代センター長)としている。



URL
  独立行政法人 情報処理推進機構
  http://www.ipa.go.jp/
  OSS iPedia
  http://ossipedia.ipa.go.jp/


( 唐沢 正和 )
2006/05/15 16:35

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