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日本IBM、新規代理店獲得に向けた施策を発表-年内1000社の上積みが目標


執行役員 パートナー事業担当 高橋慎介氏

幅広いパートナーに対して、積極的な支援を提供するという

パートナー向けのポータルサイトも強化する
 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は5月15日、新たなビジネスパートナー獲得のための施策を発表した。x86サーバーやワークステーションなどの分野で販売代理店(リセラー)への参加条件を撤廃したり、リセラーに対する営業支援を積極的に行ったりすることで、年内に1000社の新規獲得を目指す。「これらの施策で、業界の倍以上の成長を目標にする。PCサーバーは対前年で10%伸ばしたい」(執行役員 パートナー事業担当 高橋慎介氏)。

 日本IBMグループでは中期戦略として、「顧客にイノベーションによって成功してもらうための、最も信頼されるパートナーになる」という目標を掲げた「Challenge 2008」を実施している。この中で大きな柱は5つあるが、今回のパートナー戦略はそのうちの、「顧客およびパートナーの新規開拓」「量販ビジネスの効率化」を展開するためのものだという。

 日本IBMではまず、リセラー支援の体制を整える。パートナー企業向け総合支援プログラム「PartnerWorld」の強化では、ポータルサイトを1つに統合。独立系ベンダ、SIer、ディストリビュータ(一次代理店)といった各パートナーの立場別の視点で使いやすいように構築し直したほか、今後は、ターゲット業界向けの情報発信も行っていくとしている。このプログラムへの加入は自発的にも可能であるが、日本IBMでは東名阪でセミナーを行うなど、勧誘にも力を注ぐ。

 また、構成作成や見積もり、在庫(納期)情報といった営業活動を支援するため、非対面営業部門であるibm.com内に10名ほどの専任部隊を設置する。日本IBMは量販の能力がないため、「直接リセラーの支援を行ったとしても、一次代理店の商圏を侵すことはない」(高橋氏)とのことで、一次代理店とともにリセラーを支えていくという。

 さらに、x86サーバー「IBM System x」(旧eServer xSeries)、ワークステーション「IntelliStation」、ローエンドのストレージ、プリンタといった量販ビジネス向けの製品については、ビジネスパートナー契約締結の際に、販売目標や認定技術者数といった条件による制限を撤廃した。これによって、新規のパートナー企業の参入を容易にし、現在推定1500社程度のリセラーを、年内にさらに1000社上乗せしたい考え。なお、リセラーの仕入れは前述のように一次販売店からとなる。

 日本IBMでは長らく、ソリューションプロバイダなどが企業にシステムを納める際、同社製品だけで構成するよう求めるなど、“囲い込み”のアプローチを要求してきた。しかし今回はその方針を大きく転回するもので、高橋氏は「マルチベンダ化することでパートナーも強くなる。他社を知らないことでIBMの強さを語れないのかもしれない」と述べ、この転回がパートナーにもプラスに働くとした。

 さらに「通常では、サービス提供で日本IBMの競合となるところに、当社のコンポーネントを提供し、積極的に担いでもらう」と述べ、ビジネス上の競合も含めた非常に幅広い範囲を対象に、製品を売り込んでいく考えを示している。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/press/20060515002.html


( 石井 一志 )
2006/05/15 17:41

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