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法人向けIP電話システム関連市場は、2009年度7000億円規模に-富士キメラ総研予測


 株式会社富士キメラ総研は5月22日、法人向けIP電話システム関連市場についての調査結果を発表した。それによると、「機器・システム」、「サービス」、「周辺システム・サービス・アプリケーション」をあわせた2005年度の市場規模は4302億円。2009年には、2005年度比63%増の7009億円に達する見込みという。

 個別にみると、機器・システム分野に関しては2005年度が2369億円。2009年度は2005年度比22%増の2894億円と予測する。このうち、IP電話端末(ソフトフォン含む)市場単独では2005年度161億円となっており、前年に比べて50%近い成長を果たした。2009年度には、2005年度比で約2.3倍の373億円と見込む。現在の企業では、IP電話に対する意識が「コストメリット」から「業務効率化」にシフトしているとのことで、FOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」の発売を契機の1つとして、1台の携帯電話機で内外線ともに利用でき、場所や時間にとらわれずにコミュニケーションを行えるモバイル端末の効果が、認められてきているという。

 また固定型IP電話機では、SIP対応製品の低価格化が進行。2005年度の実績において、数量ベースで対前年比30%増、金額ベースで同20%以上増の成長が見られた。富士キメラ総研では増加の要因として低価格化のほかに、「IP-PBX/IPテレフォニーサーバーの導入が堅調に伸びたこと」も挙げている。

 一方、サービス市場は、2005年度1371億円、2009年度が2005年度比152%増の3455億円。このうち伸びが著しいと予測されているのは、法人向けIP電話サービスで、2005年度の300億円に対し、2009年度は2005年度比約4.1倍の1230億円が見込まれている。

 同分野では現在、先行してサービス提供されている050・IP電話サービスの加入者数が多い。しかし、番号体系が0AB~Jであったり、緊急通報が可能であったりする光IP電話サービスにも人気が集まっており、NTTグループが加入者/ISDNサービスを光IP電話サービスに置き換えてサービス提供していることもあって、「今後は、光IP電話サービスが本格的に普及する。050・IP電話サービスと同じ無料サービスのメリットが引き継がれると考えられ、050・IP電話サービスのメリットは年々薄れていく」(同社)と分析している

 周辺システム・サービス・アプリケーションの分野は、2005年度562億円、2009年度が2005年度比17%増の660億円の予測。この中ではWebカンファレンスASPサービスの市場で成長が見込まれ、2005年度の11億円から、2009年度には29億円(2005年度比約2.6倍)に達すると予測されている。富士キメラ総研では、「2005年度は大規模導入が増加したこと、試験利用のユーザーが本格導入したことで対前年比35%増の成長を示した」としたが、さらに今後、「ASPサービスは運用管理が不要なこと、初期導入コストを抑えられることから、中小企業での需要が多く見込まれる」としている。



URL
  株式会社富士キメラ総研
  http://www.fcr.co.jp/


( 石井 一志 )
2006/05/22 13:00

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