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弥生新社長に飼沼副社長が就任-平松氏はライブドアに専念

NEシリーズなどの拡販で来年度売上100億円目指す

弥生の新旧社長
 弥生株式会社は6月7日、6月12日付けで現社長の平松庚三氏が会長となり、新社長に代表取締役副社長の飼沼健氏が就任すると発表した。

 平松社長は、「ライブドアの社長に就任して以降、弥生の事業に関わるのは週に一回程度に減っていた。(自分が)弥生で仕事を始めて5年半経ち、営業利益は数%から40%となるなど、大きな成長を実現できた。競合状況も、店頭での本数シェアは40%以上で、他社製品よりも価格が高いことから、価格シェアではさらに高いシェアを実現している。競合は他社ではなく、安定したこの状況ではないかと考えているくらい。新任の社長となる飼沼とコンビを組んで仕事をするのは3社目となるが、今年度の売り上げは80億円を目標とし、それが実現できれば、来年度は売り上げ100億円が見えてくる。弥生の社長ではなく、親会社であるライブドアの社長としていえば、ぜひ新社長の飼沼には売上高100億円を実現してもらいたい」と、自らはライブドアの経営に専念し、弥生のオペレーションは新社長となる飼沼氏に任せるとの方針を示した。


6月12日付けで代表取締役会長に就任する平松庚三氏 量販店における弥生製品のシェア推移 弥生の売上高推移

新社長に就任する飼沼健氏

弥生が目指す事業の方向
 新社長となる飼沼氏は、「平松が弥生を大きく成長させ、駅伝でいえば区間新記録を作った後にバトンを渡されたようなもの。中小規模法人のビジネスでの成功を支援するというミッションは今後も変えずに、新たな領域に進出することで、さらなる売り上げ拡大を目指したい」との方針を示した。

 新たに進出する領域は、以下の3点。

 (1)従来よりも、企業規模の大きな企業をターゲットとした「弥生NEシリーズ」ビジネスの拡大。今年冬には給与NEを発売し、ラインアップの拡充をはかり、秋にはSDKの提供を開始。

 (2)USENグループとの業務提携により、有線放送契約法人75万社へアプローチ。

 (3)従来、ライブドアで開発していた歯科医院向け口腔画像の管理や予約管理を行うソフト「ライブドア デンタル」を、「弥生デンタル」と改称し、ブラッシュアップした上で販売を開始。この製品を契機に、特定業種に深掘りした製品の販売をスタート。


NEシリーズの製品概要
 弥生NEについては、プロダクト・マーケティング担当の竹之内学執行役員が説明を行った。

 「従来の弥生シリーズは、従業員規模30人以下の企業をターゲットとしてきたが、業容拡大などにより、使い慣れた弥生シリーズを複数のスタッフで同時に利用したいという声や、遠隔地の事業所とデータのやり取りをしたいといった声を受けるようになった。そこで、より規模の大きな企業でも利用できるNEシリーズを開発。ターゲットとしては、既存の弥生ユーザー、オフコンを現在でも使い続けているユーザー、より早いスピードで成長を狙うスタートアップ企業の3つの層を狙っていく。先行して発売した弥生会計NEは、新規、既存ユーザーが半々の状況で、利用されている」

 会見には、実際に弥生NEシリーズを販売する企業3社が登場。従業員30人の製造業に「弥生会計NE 06」を販売したビジネスポイントの新坂満社長は、「当社では他社の業務ソフトシリーズの販売も行っているので、他社製品のネットワーク版の利用も進めたが、以前から弥生給与を導入し、使い勝手がいいということで、弥生NEの導入が決定した。弥生シリーズはエンドユーザー指向の製品で、お客さんの声から導入が決定するケースが多い。しかし、新しいNEシリーズは他社の同等の製品よりも低価格ではあるものの、従来の弥生シリーズに比べると価格が高い。なぜ従来製品よりも高いのかという問い合わせが多く、弥生シリーズのライバルは弥生シリーズ自身ではないか」とユーザーの生の反応を披露した。



URL
  弥生株式会社
  http://www.yayoi-kk.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.yayoi-kk.co.jp/news/20060607.html


( 三浦 優子 )
2006/06/07 20:31

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