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富士通とマイクロソフト、中堅企業向けSOAに関するパートナー支援で協業


富士通プラットフォームソリューションセンター・平野一雄センター長
 富士通株式会社とマイクロソフト株式会社は6月14日、中堅企業におけるSOA適用に向けたビジネススキームを共同で構築することを発表。パートナー企業に対するSOAベースモデルの提供およびSOAに関する技術支援を行う。

 「中堅企業においては、導入したパッケージ同士をつなぐといった必然性が高まり、同時に、SOAを活用したいという要求が高まってきた。だが、SOAによるシステム構築には専門知識が必要であるといった新たな課題も出ているほか、連携したシステムの効率的な管理や、システム連携の多様化といった課題も出てきている。今回のマイクロソフトとの協業により、いますぐ使えるSOAを実現することが可能になり、こうした中堅企業が抱える問題を解決できる」(富士通プラットフォームソリューションセンター・平野一雄センター長)としている。

 SOAベースモデルとして、マイクロソフトのWindows、SQL Server 2005およびBizTalk Server 2006を活用。そこに富士通のミドルウェア製品群(サービスバスなど)を組み合わせ、6つの利用目的にあわせたモデルを用意。これを、TRIOLEテンプレートのひとつとしてパートナー企業に提供する。

 6つのモデルは、電子帳票を作成し出力する「帳票モデル」、BIとして提供する「データ分析モデル」、EIPとして提供する「画面統合モデル」、業務の可視化によるリアルタイムな状況把握を実現する「モニタリングモデル」、データの統合、抽出、集計を行う「データ集計モデル」、オフィスの業務全体の統制および業務最適化を図る「業務最適モデル」。これらを事前に接続検証した形で、2006年度第3四半期以降、パートナーに対して、順次提供する。


今回の協業の内容 両社製品を組み合わせたSOAベースモデルを用意 利用目的に合わせた6つのモデル

 SOAベースモデルを利用することで、中堅企業向けのSOA対応システムの開発生産性が2倍に向上するという。

 また、技術支援に関しては、富士通が、東京・浜松町のプラットフォームソリューションセンター内に50人体制での専任部門を編成。同組織では、SOA対応システムの企画や、動作検証環境の提供および検証作業の支援、TRIOLEのテンプレート化を行う。

 この技術支援に関しては、2004年6月から開始しているパートナー支援プログラム「パートナーアリーナ」に、SOA技術支援メニューを新たに追加する形で提供する。


マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部長・鈴木協一郎執行役
 マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部長・鈴木協一郎執行役は、「マイクロソフトと富士通は、2002年からグローバルアライアンスを組み、ミッションクリティカル分野における実績がある。今回の提携は、これまでの両社の経験やノウハウをもとに、中堅企業まで広く展開していくもの。中堅企業の課題解決に役立つものだと考えている」とした。

 また、エス・エス・ジェイ、応研、オービックビジネスコンサルタント、サイボウズ、ディサークル、ピーシーエーの6社が、今回の協業に協力する意向を示している。

 富士通では、「300億円以下の中堅企業に対して、今後3年間に1万社への導入を図りたい」(平野センター長)としている。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/06/14.html


( 大河原 克行 )
2006/06/14 13:09

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