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マイクロソフト、WinHEC 2006を開催-Windows Vistaのメリットを強調


 マイクロソフト株式会社は6月20日、Windowsに関連したPCおよび周辺機器を開発しているハードウェア開発パートナーを対象としたテクニカルカンファレンス「WinHEC 2006 Tokyo」を開催した。基調講演では、米Microsoft Windowsハードウェアプラットフォームエバンジェリズム ゼネラルマネージャのマーシャル・ブルーマ氏が登壇し、次期Windows「Windows Vista」を紹介した。


米Microsoft Windowsハードウェアプラットフォームエバンジェリズム ゼネラルマネージャのマーシャル・ブルーマ氏

Exchange Server 2007などでは64ビット版のみ提供される
 ブルーマ氏は、マルチコア化や64ビット化といったCPUの進化に触れ、「Microsoftでは、マルチコア、64ビットに対して投資を行っている。将来的には、(サーバー製品を中心に)64ビット版のみの製品提供を行っていく」と、Exchange Server 2007やWindows Server “Longhorn” R2などでは32ビット版は用意せず、64ビット版になると紹介。また、そのほかのハードウェアも進化していると述べ、「Vistaは、ブートI/OのEFIやネットワークのIPv6、メモリマネジメントのSuperFetchやReadyBoost、パワーマネジメントのハイブリッドスリープなど、進化したプラットフォームに対応している」と、次世代のハードウェア環境に対応したOSである点を強調した。

 また、Vistaの特長を利用目的別にも紹介。「ビジネスユーザーにとっては、よりセキュアな環境となっている点が大きなメリット。また、増え続ける情報を検索する機能を強化しており、情報収集に効果がある。管理者にとっては、(PCへの)導入・展開が容易になっているのが利点だ」と説明。

 モバイルユーザー向けの特長としては、「SideShowの搭載や、ネットワークへの接続状態を一箇所で確認できるネットワークセンター、リムーバブルメディアをメインメモリの補助に利用できるReadyBoostなどの機能が利用できる」と紹介。コンシューマユーザー向けには、「ビデオや写真の編集・管理機能の強化や、ドキュメントソリューションのXPS、ゲーム向けにはDirectX 10、手軽にネットワークに接続できるWindows Rallyなどのメリットを享受できる」と、Vistaを利用するメリットを説明した。


ビジネスユーザー向けの主な機能 モバイルユーザー向けの主な機能 コンシューマユーザー向けの主な機能

 また、Vistaと同時期に出荷されるOffice 2007、開発中の次期サーバーOS「Windows Server“Longhorn”」とあわせて利用することで、さらにメリットを受けられると紹介。「Longhorn Serverとの統合により、不正なアクセスを防止するネットワークアクセスプロテクションなどによる管理性の効率向上や、クライアント側でのレンダリングによるプリントサーバーの可用性向上やキャッシュ機能などによる高可用性、アプリケーションリソースへのアクセス向上といった通信性の向上といった利点がある」と述べた。


VistaとLonghorn Serverを統合するメリット Vistaの出荷スケジュール

同社Windows本部 本部長のジェイ・ジェイミソン氏
 Vistaの国内展開について、同社Windows本部 本部長のジェイ・ジェイミソン氏は「4月よりWindows Vista Capable PCプログラムを、6月にはWindows Vistaベータ2のカスタマープレビュープログラムを開始するなど、リリースに向けて準備を進めている」と紹介。また、ハードウェア開発パートナー各社もVista対応製品の開発を表明するなど、Vistaへの移行環境が整いつつあると強調。

 そのほか、開発者に対してVistaソフトウェアコンテストを開催する予定であることも発表。このコンテストは、Vistaの新機能であるガジェットおよびWindows Presentation Foundationに対応したソフトウェア開発を支援する目的で行われるもの。同社のほかに、株式会社インプレスジャパン、株式会社Impress Watch、株式会社エムディエヌコーポレーションの主催で実施される。なお、コンテストの詳細については、7月中旬に発表される予定。

 ジェイミソン氏は、「インターネットの普及により可能性は広がったが、セキュリティ面でのリスクも高まった。Vistaは、より高いポテンシャルを保ちながら、リスクを軽減するOSとなっている」と、Vistaを利用するメリットを強調した。


Windows Vista Capable PCプログラム対応メーカー Vista対応ハードウェアの開発を表明した企業 Windows Vistaソフトウェアコンテスト


URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  Windows Vistaカスタマープレビュープログラム
  http://www.microsoft.com/windowsvista/ja-jp/preview.mspx


( 福浦 一広 )
2006/06/20 14:44

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