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米Packeteerとマイクロソフト、WindowsベースのWAFS製品を共同で国内展開


アプライアンス形態のiShared

マイクロソフトのサーバープラットフォームビジネス本部 プロダクトグループ Windows製品部、吉川顕太郎部長

パケッティアの代表取締役社長、金城盛弘氏
 米Packeteerは7月28日、WindowsベースのWAFS(Wide Area File Services)ソリューションである「iShared」を、マイクロソフト株式会社の協力のもと、国内市場で本格販売すると発表した。

 WAFSとは、WAN環境を経由したストレージ最適化を行うためのソリューション。そのWAFSの1つであるiSharedは、Windows Storage Server 2003(WSS 2003)ベースで動作する製品であり、米Microsoftの「Embedded Partner of the Year 2006」に選ばれるなど、両社は良好な関係を築いている。

 iSharedはもともとPacketeerが買収した米Tacitの製品であり、ブロケードコミュニケーションズシステムズがOEMで販売している以外は、国内では提供されていなかった。今回、Packeteerの日本法人であるパケッティアジャパンインク(以下、パケッティア)が国内の販売に乗り出すのにあたり、マイクロソフトが支援を行うことを表明したわけである。

 具体的には、Webサイト上で相互に紹介しあうほか、セミナーを共同で行うなどのマーケティング活動で協力する。マイクロソフトのサーバープラットフォームビジネス本部 プロダクトグループ Windows製品部、吉川顕太郎部長は、「WSS 2003のパートナーは多数あるが、PacketeerはWindowsベースのWAFSソリューションを提供している点で非常にユニーク。当社ではさまざまなアプライアンスベースのパートナー製品もプロモーションしていくが、その中でも同社の製品は重要なポジションを占めている」と語った。

 パケッティアの代表取締役社長、金城盛弘氏は現状について、「パートナーへのトレーニングが一通り終わり、展開していく体制が整ったところ」と話す。一次代理店は4社あり、今後はここを通じて販売を行う予定で、ビジネスとしては大手ベンダによる販売も計画されているのとのこと。ブロケードを通じたOEMも含めて、広く展開していく考えだ。「CIFSに特化している分、競合製品よりもかなり高いパフォーマンスが実証できており、すでに商談もいくつかきている。当社の強みを生かして着実に販売していきたい」(金城氏)。

 なおiSharedはアプライアンス形態だけでなく、ソフトウェアとして提供できる点も強みという。国内で広い地域に展開しているような大手企業の場合、あまり交通の便の良くない地方にも拠点があることが見込まれる。ソフトとして提供できれば、こうした場合にカバー範囲の広い保守エリアを持つ大手ベンダのサーバーハードウェアとともに導入することにより、アプライアンスだけを提供する企業よりも保守面で優位に立てるというのがその理由だ。パケッティアでは、手離れの良いアプライアンス形態と、こうしたソフトによる販売形態の両面を、用途に応じて使い分けていく意向である。




URL
  米Packeteer(英語)
  http://www.packeteer.com/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  パケッティアジャパンインク
  http://www.packeteer.co.jp/

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( 石井 一志 )
2006/07/28 17:27

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