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大塚商会、2006年度中間決算は売上高・利益とも過去最高を更新

大企業だけでなく中小企業のIT投資の拡大傾向背景に

大塚裕司社長
 株式会社大塚商会は8月2日、2006年12月期の中間決算を発表した。

 企業のIT投資が堅調に推移したことから、売上高は対前年同期比7.0%増の2262億4000万円、営業利益は14.6%増の162億4200万円、経常利益は14.7%増の164億3400万円となり、中間純利益は21.7%増の96億200万円となった。

 セグメント別売上高としては、システムインテグレーション事業が3.5%増の1424億8000万円、サービス&サポート事業は14.0%増の830億1100万円、その他の事業が18.2%減の7億4800万円となった。

 単体売上高は、中間期決算で初めて2000億円を突破し、7.1%増の2106億7200万円となった。営業利益は15.7%増の149億9700万円、経常利益は15.6%増の153億4700万円、中間純利益は23.3%増の91億2600万円となった。

 「好調だった第1四半期に続き、第2四半期も好調な売り上げを記録。その結果中間期決算についても、昨年度は連結で初めて売上高2000億円を突破したが、今年度は単体で売上高2000億円を突破することができた。連結対象会社の中で、大塚商会の売り上げの伸びの高さが際立つ結果となった」(大塚裕司社長)

 顧客の動向については、IT投資が好調なのは大企業だけにとどまらず、中小企業にも拡大したと分析。「企業としての存続をかけて、ITを活用した経営改革ニーズが高まっている」(大塚社長)と大企業だけでなく、中小企業においてもIT投資が活発化しているとした。


2006年12月期 中間決算の概要 2006年12月期 中間決算の売上高と利益の状況 2006年12月期 単体での中間決算のセグメント別売上高

2006年12月期 単体での重点戦略事業の状況
 単体での重点事業別売上高は、「たのめーる」を代表とするサプライ用品事業MRO(Maintenance Repair and Operation)事業の売上高は20.1%増の371億5300万円、独自ERP「SMILEシリーズ」の販売、保守事業は24.6%増の90億9400万円、ドキュメントソリューション事業ODS21(Otsuka Document Solutions 21 for open knowledge office)は1.5%増の184億5500万円、セキュリティ事業OSM(Otsuka Security Management)は44.6%増の134億5400万円。

 大塚商会の営業戦略としては、独自開発の顧客管理及び営業支援システム「SPR(Sales Process Re-engineering)」の機能強化と活用促進によって、提案力アップ、効率的な営業活動の実現を目標として掲げていた。

 「お客さまのデータに基づいた提案を行っていくことがSPRの基本だが、情報カード数の増加にあわせて受注率も拡大する傾向が出ている。このSPRの活用が順調な売り上げ拡大のバックグラウンドとなっている」(大塚社長)


ITシステムに必要な製品やサービスをワンストップで提供できる体制を特徴としていく サービス&サポート事業のブランドは「たのめーる」と「たよれーる」に集約

2006年度通期 連結での売上高および利益の計画

2006年度通期 連結でのセグメント別売上高計画
 業績が好調であることから、通期見通しを修正し、売上高は5.7%増の4329億円、営業利益は13.0%増の247億5000万円、経常利益は12.6%増の250億円、当期純利益は21.3%増の142億5000万円とする。

 セグメント別の売上高では、システムインテグレーション事業が3.0%増の2661億5000万円、サービス&サポート事業が10.6%増の1648億5000万円、その他の事業が6.7%減の19億円を計画している。

 単体では、売上高が5.8%増の4025億円、営業利益が12.3%増の223億3000万円、経常利益が12.3%増の229億円、当期純利益が22.0%増の132億6000万円を計画している。

 「当社が目指すのは、事務器系機器の提供、インターネット回線など回線系の提供、電話などの音声系の提供、パソコンやサーバーなどのハードウェアやソフトなどの提供、日常利用するサプライ品など、IT活用に不可欠な商材をワンストップで提供する企業。その方針は今後も変更せず、さらに強化していく」(大塚社長)

 その具体策のひとつが、サービス&サポート事業のブランドの再構築。サービス&サポート事業のブランドを、サプライ品を提供に活用している「たのめーる」と、これまでBPO事業に活用していた「たよれーる」という2つのブランドに集約する。

 「お客さまのニーズは、サービスやサポートについても、ワンストップでの提供。お客さまの目線に近い体制とすることを目指し、ブランドの集約を実現する。ロイヤルカスタマーに対してはワン・トゥ・ワンでのサポート体制を確立し、中堅企業に対しては企業を丸ごとサポートできるITサポートライフサイクルマネジメントサービス『おたすけくん』によって、トータルサポート体制を確立したい。小規模企業に対しては、サイト単位でサポートを請け負うことができる新サービス『おたすけくんJr.』を6月から提供しており、さらに利用企業を増加していきたい」(大塚社長)

 中期目標として、通期での営業利益率、経常利益率共に6%台を掲げているが、「中間期ではその目標はクリアしているものの、当社の場合、下半期に利益率が低下する傾向にある。昨年度も上半期には6.7%と目標をクリアしていたものの、下半期が3.9%で通期では5.4%にとどまった。通期での6%台の実現を引き続き目標にする」とした。

 基本方針は従来通り変更せず、「究極のご用聞きとして、町の電気屋さんのようにお客さまの身近な存在として共に成長していくことを目指す」としている。



URL
  株式会社大塚商会
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/company/release/news1837.htm


( 三浦 優子 )
2006/08/02 20:29

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