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フィードパスが提案する企業向け情報管理サービス「WOLF」のおいしい使い方


 フィードパス株式会社は、feedpathをベースとした企業向け情報管理サービス「feedpath WOLF(以下、WOLF)」を今秋にも提供する予定だ。既存のfeedpathがRSSフィードを用いたサービスであるのと同様に、WOLFもRSSフィードを中核としたサービスとなる。しかし、RSSフィードそのものが普及していない企業にとって、WOLFを採用するメリットは一体どこにあるのか、同社取締役COOの小川浩氏に話を伺った。


「読む」「書く」「探す」にこだわったfeedpath

フィードパス取締役COOの小川浩氏
 feedpathは、RSSフィードを「読む」「書く」「探す」という機能が用意されたWebアプリケーション。1月のサービス開始時点では「読む」機能のみが用意されていたため、RSSリーダーという印象を持つ読者も多いだろう。その後、ブログ投稿機能やRSS検索機能、更新通知機能など、RSSフィードをさまざまに活用できる機能が追加されている。

 「RSSフィードはXMLで記述されたファイル。feedpathでは、名前のとおりRSSフィードの通り道となるサービスを提供している」と小川氏は説明する。ただし、現時点で提供されている機能は当初計画の50%程度で、残り50%は年内に実現する予定だという。

 このfeedpathをベースにSaaS(Software as a Service)として企業向けに提供されるのがWOLFになる。feedpathで用意されているRSSリーダー機能やブログ投稿機能、タグによる分類、RSS検索などの機能はそのまま利用可能。異なるのは、収集したRSSフィードやタグ分類などを外部に公開せずに利用できる点や、ブログシステムが用意されている点。これにより、企業や部門などの単位で情報を共有することが可能になる。

 また、WOLFではサイトのカスタマイズ機能も提供される。「feedpathは比較的ハイエンドのユーザーが利用することを想定して設計している。そのため、Webになじみのない人からすると難しい用語が使われているおそれがある。たとえば、タグという言葉もわかりにくかったりするだろう。これらの用語なども利用する企業ごとに変更できるような構成にしている」(小川氏)

 そのほか、プリセットされた情報なども用意する予定としている。「企業で利用する場合、フリーフォーマットのままでは難しい。ディレクトリを用意し、その中から情報を整理してもらうのが最適」と、個人向けとの違いを強調した。


発信することに力点

WOLFの画面イメージ。タブの名称などはカスタマイズ可能
 WOLFで特に力を入れているのが「情報」の記録。feedpathではRSSリーダー機能が先行したことと、ブログシステムを内包していないことから、どちらかといえばRSSフィードを読むのに適したサービスととらえられがちだが、企業ではRSSフィードを読む機会は少ない。「RSSリーダーのイメージが先行しているが、実はfeedpathでも書くことに力点を置いている。まだ実装できていないサービスも、書くことに関連した機能」とfeedpathでも“書く”ことに重点を置いていると強調する。

 「RSSフィードのおもしろさは、それ単体で情報を持てる点。そして、それを流通させられる点にある。この特性を活かすには、受け取るだけでなく、発信することが重要。そのためには、発信しやすい環境を用意し、だれもがRSSフィードを発信できるようにすることが大切だ」と小川氏は語る。

 企業内での利用を想定しているWOLFでは、発信しやすい環境作りを配慮しているという。「feedpathではブログシステムは提供していないが、WOLFでは標準で用意した。これにより、利用者は自由に情報を発信できるようになる。また、RSSリーダーで収集する情報も明確になる」と説明する。つまり、WOLFは外部で発信されている情報を受け取るためだけのサービスではなく、企業内で発信された情報を受け取れるサービスというわけだ。これを応用すれば、営業日報システムなどもWOLFで構築可能だ。


情報流通のインフラとしても利用可能なWOLF

 また、企業内利用にとどまらず外部公開も可能なのがWOLFの特長だ。通常は、IDによりアクセス制限がかけられているが、アクセス制限を解除することで外部からもRSSフィードにアクセスできるようにすると小川氏は説明する。「情報はすべてRSSフィードという形式になっているので、アクセスを許可するだけで公開情報にすぐに変更できる。これを利用すれば、Webページを持たずに情報だけを発信することも可能だ。feedpathの名のとおりRSSフィードの通り道として利用できる」と語る。

 WOLFの正式な提供日は未定。価格も未定だが1アカウントあたり月数百円程度にする予定とのこと。「企業はもちろん、大学やジョイントベンチャーなどで利用していただきたい」(小川氏)。



URL
  フィードパス株式会社
  http://www.feedpath.co.jp/
  feedpath WOLF
  http://www.feedpath.co.jp/wolf/


( 福浦 一広 )
2006/08/11 10:03

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