マイクロソフト株式会社は8月25日、Office SharePoint Server 2007を中核としたフォームソリューションとBI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションに関するプレス向け説明会を開催した。
■ 外部連携も実現したフォームソリューション
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インフォメーションワーカービジネス本部シニアプロダクトマネージャの西岡真樹氏
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フォームソリューションのフロントエンドとなるのがInfoPath 2007。従来、イントラネット向けのフォーム作成ツールという印象が強かったInfoPathだが、最新版ではWebブラウザおよび携帯電話などモバイル端末向けのフォーム作成が行えるなど、外部のネットワークでの利用も考慮した製品となっている。
フォーム作成では、新たにWordやExcelなどで作成したフォームをInfoPathにインポートする機能を用意。また、よく使われるフォームパーツをテンプレート化する機能など、フォーム作成の手間を軽減する機能が追加されている。
SharePoint Serverとの連携機能では、よく使うデータ接続設定をSharePoint Serverに登録できるデータ接続ライブラリを用意。これにより、SharePoint Server上で接続先の変更などの設定を一括管理することが可能となっている。
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OutlookからInfoPathフォームを利用可能。入力したフォームはメールとして送受信できる
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メールで集まったInfoPathフォームは一括して集計が可能。画面は集計結果をExcelにインポートしている様子
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Excelへのインポート結果
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SharePointのワークフローを利用した例。経費精算フォームなどの承認などで利用できる
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作成したフォームはInfoPathだけでなく、Webブラウザやモバイル端末でも利用可能
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フォームを外部公開コンテンツに組み込んだ例。入力されたデータはSharePointのワークフローとして処理することも可能
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Wordで作成した伝票。InfoPathのフォームとして取り込むことができる
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InfoPathのインポートウィザード。標準でExcelとWordに対応している
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インポートしたWord文書。フォームに変換されているのがわかる
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フォームソリューションの3つのシナリオ
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同社インフォメーションワーカービジネス本部シニアプロダクトマネージャの西岡真樹氏は、「フォームソリューションでは、Outlookで利用できるEmailフォームなど必要に応じて作成できる情報収集用のフォームが中心の“Team”、SharePoint Serverと連携した‘Department”、ERPなど業務システムやデータベースとデータ連携した“Enterprise”と、利用規模に応じた3つのシナリオを用意している。それぞれの規模で利用できる製品となっている」と、幅広いニーズに対応している点を強調した。
■ 最強のBIツール「Excel」を前面に押し出したBIソリューション
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インフォメーションワーカービジネス本部IWソリューションマーケティンググループ シニアプロダクトマネージャの米野宏明氏
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BIソリューションでは、Excel 2007およびVisio 2007を中核としたソリューションを紹介。BIの利用状況について、同社インフォメーションワーカービジネス本部IWソリューションマーケティンググループ シニアプロダクトマネージャの米野宏明氏は、「国内でのBIの利用状況を見ると、経営層よりも現場のマネージャや担当者が利用しているという調査結果が出ている。そのためか、BIツールのライセンス価格に関して高いという評価が多数を占めている」と紹介。「現在提供されているBIツールの機能が多すぎるのではないか」と、より現場のニーズにあったツールが求められていると分析する。
これに応えるのがExcelと米野氏は説明する。「もともと多くのユーザーが利用しており、BIツールでもExcel対応が必須機能となっているなど、BIツールとして最適。特に、新しいインターフェイスのリボンや、行列数の拡大、セル内にグラフを表示するなどの可視化機能、新しいピボットテーブルなど、一般ユーザーが手軽に分析できる機能が充実している」と、Excel 2007を日常業務ですぐに使えるBIツールとして打ち出していくと述べた。
もう一方のVisioについては、「VisioがBIツール?と思われるだろうが、最新版のVisio 2007では、外部データと図表の統合機能が強化されている。これにより、Visioならではの図表を活かして、データのドリルダウンが可能」と、企業の“見える化”に対応したツールに進化していると紹介した。
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Excel 2007のBI機能
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Visio 2007のBI機能
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また、SharePoint Serverに用意されたレポート管理用のサイトテンプレートやダッシュボードなどのレポート機能、Webブラウザ上でスプレッドシートを表示できるExcel Servicesなども紹介。一般社員や部門管理者の意志決定に役立つプラットフォームを中心に、BIソリューションを実現するとした。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
( 福浦 一広 )
2006/08/25 18:21
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