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「ITプロの職場を3Kから楽しいものに」マイクロソフト・ヒューストン社長

Microsoft Tech・Ed 2006 Yokohama基調講演

 マイクロソフト株式会社主催の技術者向けカンファレンス「Microsoft Tech・Ed 2006 Yokohama」が8月29日から9月1日まで横浜市のパシフィコ横浜で開催されている。初日には、同社代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏およびサーバープラットフォームビジネス本部プロダクトグループディレクターの五十嵐光喜氏が登壇し、「Power to the pros~Microsoft's 4 Promises~」と題した基調講演が行われた。


代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏

ITプロへのコミットメント
 ヒューストン氏は、日本でのIT利用の現状について、「音楽や映像などのデジタルライフスタイルに関しては、日本は世界でももっとも進んだ国。しかし、デジタルワークスタイルに関しては、欧米に比べ遅れている」と指摘。

 しかし、デジタルワークスタイルを変革するトレンドがいくつもあるとヒューストン氏は述べる。「日本版SOX法やコンプライアンスなど社会的な責任が求められている。また、2007年問題や人口の減少、個人情報保護法などのセキュリティ意識の高まり、レガシーシステムからオープンシステムへの動き、グローバル化による激しい競争など、さまざまな動きが起きている。そして、そうした中でITの進歩による新たなビジネスチャンスが起こっている。これは大きな事柄だ」と、ITだけの変革でなく、日本そのものの変革につながる流れが起こっているとした。

 こうした現状で重要な役割を担うのがITプロの人々とヒューストン氏は述べ、「日本ではITプロは(「きつい」「汚い」「危険」など)3Kの職場とみられているが、アメリカでは楽しい職場だ。デジタルワークスタイルの進展により、ITプロの仕事は楽しいものになる」と、マイクロソフトとしてデジタルワークスタイルの進展に貢献すると宣言。具体的なコミットメントとして、技術者コミュニティの支援施策である「Microsoft Community Ring」を開始すると発表した。

 最後にヒューストン氏は、「ITプロの方々に対し、pro-j@microsoft.comのアドレスを用意。緊急時の問い合わせなどで、ぜひ利用していただきたい」と、問い合わせ用アドレスを新設したことを発表。マイクロソフトとして、ITプロに対して大きくコミットメントするとした。


サーバープラットフォームビジネス本部プロダクトグループディレクターの五十嵐光喜氏

今後投入される製品
 五十嵐氏からは、「機敏なITインフラ」「ビジネス拡大をもたらすソリューション基盤」「ワークスタイルの進化」「包括的なセキュリティ」の“4つの約束”をマイクロソフトとして行うと発表。今後10年を支えるIT基盤を提供すると述べた。

 機敏なITインフラとしては、System Centerブランドで統一した管理製品を紹介。SQL Server 2005と連携したOperations Managerの利用法や、Systems Management Server 2003 R2で実装した独自アプリケーション向けのパッチ適用ツール「カスタム更新用発行ツール」、中小規模企業向けのSystem Center Essentialsなどが紹介された。また、アプリケーションの仮想化を実現する製品もSystem Centerブランドでの提供を予定していることなども発表した。

 ビジネス拡大をもたらすソリューション基盤としては、Windows Vistaやサーバー製品、開発製品などを紹介。Windows Vistaで採用されているサイドバーによる情報集約、インタラクティブなアプリケーションを開発できる環境などが紹介された。また、先日発表されたHPC向けOSのWindows Compute Cluster Server 2003の説明も行い、自社ネットワーク内でHPCが利用可能になった点をアピールした。

 ワークスタイルの進化については、Windwos Vista、Office 2007やSharePoint Serverなどを紹介。Windows Vistaの検索機能やOutlook 2007のオフラインでのプレビュー機能、SharePoint Serverで新たに搭載されたワークフローなどが紹介された。また、“社員力”強化プロジェクトなど、企業のIT課題を分析するサービスを同日より開始したことも発表した。

 包括的なセキュリティについては、SharePoint ServerやExchange Server、Windows Vistaで実装されたセキュリティ機能を紹介。引き続き、AntigenおよびForefrontなどのセキュリティ製品を投入していくと述べた。

 五十嵐氏は最後に、「マイクロソフトは、最新テクノロジーと新製品の投入により、今後も皆様を支援する」と、ITライフサイクル全般を通じてサポートしていくとした。




URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  Microsoft Tech・Ed 2006 Yokohama
  http://www.microsoft.com/japan/teched/

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( 福浦 一広 )
2006/08/29 18:24

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