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日本オラクル、ECM事業を強化-Content Databaseを秋にも提供


米Oracleのテクノロジー・グローバル・セールスサポート担当シニア・ディレクター、ニック・クリティコス氏
 日本オラクル株式会社は8月30日、ECM(Enterprise Contents Management)ソリューション「Oracle Content Database(OCD)」を国内で提供する予定であることを明らかにした。ECMとは、企業内で生成されるコンテンツのライフサイクルを管理するためのもの。OCDは米国ではこの8月よりすでに出荷されている製品で、システム製品統括本部 営業推進部 担当シニアマネジャーの三原茂氏によれば、9~10月の国内発売を予定しているという。

 OCDは、構造化データだけでなく、メール、ボイスメール、Office文書、画像データなどの非構造化データも管理可能なECMソリューション。もともとOracle Databaseをはじめとするリレーショナルデータベースは構造化データを格納するものとして利用されてきたが、OCDではこれを拡張。1つのリポジトリで、構造化・非構造化の両データを管理できるようにする。

 米Oracleのテクノロジー・グローバル・セールスサポート担当シニア・ディレクター、ニック・クリティコス氏はこれを「文書管理、ファイル管理を直接コアのOracle Databaseの中に持ち込む」と表現。「すべてをOracle Databaseで行うため、高い可用性、ディザスタリカバリ、拡張性と管理性、セキュリティなどのメリットがすべて享受できる。また同じDBA(データベース管理者)が同じスキルでコンテンツのリポジトリを管理できる」と述べた。

 そもそも、「企業内のデータの8割は非構造化データで、そのうちの9割は管理されていない」(クリティコス氏)状態だが、企業にとってこうした状態は望ましい姿ではない。OCDの導入後はリポジトリが1カ所になるので、「監査を受ける際にもより迅速に、簡単にデータを見つけ出せるようになる。非常に大きなリスクを下げることができる」(同氏)点も大きいとした。また既存アプリケーションとは、BPELを用いたサービス連携が可能。エンドユーザーからは透過的に見えるため、既存の利用法を変える必要もないという。

 競合としては、クリティコス氏はMicrosoftを挙げたが、「ワークフロー、レコード管理といった部分についてはまだ当社に比べて成熟度が欠けている」として、自社の優位性を主張。また、バックエンドのリポジトリとしてOCDを導入しつつ、フロントエンドのユーザーインターフェイスとしてはSharePoint Serverを利用している顧客もあると紹介し、必ずしも競合するものではないとも述べた。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/


( 石井 一志 )
2006/08/30 19:05

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