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日本HPと日本BEA、「RFID 2.0」構想でRFID利活用促進を目指す


日本HPのマーケティング統括本部 HPサービスマーケティング本部 松本健平本部長
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)と日本BEAシステムズ株式会社(以下、日本BEA)は9月4日、企業がITシステムにRFIDを組み込みんで利用するためのアーキテクチャ、「RFID 2.0」構想を共同で推進すると発表した。

 両社の米本社である米HPと米BEAはこの4月に、RFID分野でのグローバルな提携を発表。HPがBEA WebLogic RFID製品群を用いて、流通業・製造業向けの資産管理やサプライチェーンの構築のための設計・開発・運用・サポートを提供するサービスを行うとしていた。日本HPと日本BEAはこの提携をベースに、日本市場の状況にあわせたサービス展開を行うとともに、RFIDの利活用を促進するため、新構想を展開するという。

 国内においては、RFIDに対する認知度が高まり、技術が浸透してきたため、特に大手の流通・製造業などを中心に事業単位でRFIDを利用する例が増えてきている状況。そこで両社ではこれを一歩進めて、企業全体、もしくは企業間でのRFID活用を提案する構想としてRFID 2.0を位置付けている。

 両社ではこの構想において、現場でのRFIDシステムと既存の企業システムの連携を視野に入れて、個々の事業の枠組みを超えた、企業内/企業間のリアルタイムな情報共有の基盤づくりを目指す。そのため、国際標準規格の「EPCglobal Network」を活用。オープンなRFID利活用基盤のアーキテクチャを開発し、RFIDによるリアルタイムな情報管理の仕組みと、業務を支えるIT基盤全体の連携モデルを実際にどのように構築するかを提案する。このRFID利活用基盤はSOAに基づくITシステムとして実装されることも想定し、その設計・実装のためのアーキテクチャ検討・策定でも協業していく。

 ここで利用されるアーキテクチャはEPCglobal標準をベースとするが、「EPCglobaはlあくまでもブロック。それを具体的な製品で埋めて、実際に動くことを顧客に保証する」(日本HPのマーケティング統括本部 HPサービスマーケティング本部 松本健平本部長)という。今のところ、日本BEAのRFIDミドルウェアである「BEA WebLogic RFID Edge Server」「同 Enterprise Server」と、ESB製品、日本HPの管理製品「OpenView」の組み合わせによるインフラ構築を想定している。

 日本HPでは、日本BEAだけでなくIIJとも協業を進めており、3社の協力のもと、RFIDシステムの実証実験施設「HP RFID Noisy ラボ・ジャパン」での実証環境整備を進めるほか、9月から、EPCglobal NetworkとRFIDミドルウェアの相互接続検証などを実施する予定。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  日本BEAシステムズ株式会社
  http://www.beasys.co.jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2006/fy06-161.html


( 石井 一志 )
2006/09/04 16:01

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