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Blue Coatのアジア太平洋担当副社長、マット・ヤング氏
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米Blue Coat Systems(以下、Blue Coat)は9月11日(米国時間)、米Network Appliance(以下、NetApp)のプロキシアプライアンスであるNetCache事業を買収完了したと発表した。買収は現金約2390万ドルとBlue Coatの一般公開株36万ドルによって行われている。
Blue Coatのアジア太平洋担当副社長、マット・ヤング氏は「20~25%のシェアがあるNetCacheの買収で70~75%のシェアを獲得した。国内ではNetCacheの顧客のほとんどがデータセンターで、一方Blue Coatのはブランチオフィスとインターネットゲートウェイ向けが多く、双方を補完する役割が果たせたのでうれしく思っている」とコメントした。
この買収では、Blue CoatはNetCacheの販売権を得たほか、NetAppがNetCache事業において保有していた特許、顧客リストを獲得している。加えて株式の譲渡によってNetAppがBlue Coatの株主に加わるなど、両社の関係が強化された。Blue Coatでも、「もっとも重要なのはNetAppとの協業関係を築けたこと」(ヤング氏)と認識しているという。NetCache事業に携わっていた人員に関しては、Blue Coatへの移籍もあり得るとのことだが、どのくらいの人数が移籍するかは未定とした。
製品販売では、NetCacheの販売はBlue Coatから継続するが、どの製品をどのくらいの期間販売するかは本日は明らかにされなかった。最終的にはBlue Coat製品への置き換えを目的に事業を進めるとしており、競合時代に培った移行ノウハウなどを生かして、NetCacheのBlue Coat製品への移行を提案していく考えである。ヤング氏は、「インターネットのトラフィックが増えている中で、高速なプロキシ製品があるのは顧客にとって重要なこと。(上位製品である)NetCache C3300の顧客であっても、より高速な当社のSG8100が持つパフォーマンスを享受できる」とメリットについて説明した。
また、Blue Coatでは、プロキシ事業に加えて、WAN最適化技術「MACH 5」をプロキシアプライアンスに追加したり、セキュリティ関連の製品・機能を拡充したりして、単なるプロキシにとどまらない付加価値の提供にも力を入れている。この面でも、「ウイルス対策などの機能を持つAVシリーズなどによって、(NetCacheの顧客は)完全な製品のラインアップを享受できるようになる」と述べている。
もっとも、「既存顧客をしっかりと獲得する目的があるので、NetCache向けのサポートは強化する。(アジア向けサポート拠点のある)マレーシアでの人員は倍に増やした」(ヤング氏)とのこと。NetCacheを利用する既存顧客もおろそかにはしない姿勢をアピールした。
国内では日本法人から、大規模エンドユーザーに移行のメリットを説明したり、パートナーにプログラムを紹介したりしている段階。今後の展開としては、NetCache向けの技術者を増員するほか、マレーシアのクアラルンプールに加えて日本にもサポートセンターを開設し、NetCacheのサポート強化を図る。
■ URL
米Blue Coat Systems
http://www.bluecoat.com/
ブルーコートシステムズ株式会社
http://www.bluecoat.co.jp/
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( 石井 一志 )
2006/09/12 16:53
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