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日本オラクル、ロジスティクス分野への取り組み強化を表明


執行役員 アプリケーションマーケティング本部長の藤本寛氏

アプリケーション事業統括 ビジネスディベロップメントエグゼクティブの新良清氏
 日本オラクル株式会社は9月25日、SCM(supply chain management)におけるロジスティクス分野への取り組みを強化すると発表した。物流管理アプリケーションである「Oracle Transportation Manager」(以下、OTM)の提供を日本で開始するとともに、サプライチェーンのアプリケーションにおけるビジネス戦略担当責任者を配置。積極的にOTMを推進するとしている。

 日本オラクルにとってのロジスティクス分野は、従来「あまり戦略的にビジネスを実行していなかったエリア。パーツは持っていたが統合ソリューションは提供できていなかった」(執行役員 アプリケーションマーケティング本部長の藤本寛氏)。しかし、米Oracleが2005年に買収した米G-Logの製品と自社製品を組み合わせたOTMの提供体制が整ったことで、この分野へ進出する準備が完了。これを受けて、ビジネスアプリケーション「Oracle E-Business Suite」、OTMと同じく買収企業の製品をもとにした、デマンド(需要)に焦点をあてたプランニングソリューション「Demantra」とともに、SCMアプリケーション全体の提供を目指す。

 「SCMは売り上げのボリューム、成長率とも大きな機会のある市場。日本の製造業は卓越したオペレーションがあるが、さらに物の流れの部分も競争優位として採用していただければ」(藤本氏)。

 また、アプリケーション事業統括 ビジネスディベロップメントエグゼクティブの新良清氏は、「サプライチェーンそのものをリアルタイムで可視化することで、結果が出しやすくなる。意志決定サイクルを短縮することが必要だ。また分析にも長い時間をかけられないので、的確なアクションをタイムリーに行うことが重要になる」と述べ、サプライチェーン可視化の必要性を主張した。

 さらに、「そこにいればすべての情報はそこに集約されてくるような、グローバル化で司令塔が必要。いろんな物に対して数値のゴールを作ることで、現状が予定通りなのか、ギャップがあるのかがわかる。IT導入によって情報の透明さが確保できれば、在庫の適正化が図れ、コストも削減できる。共通の物差しで相乗りができるようになるから、グローバル企業との協業もできる」と効果を説明していた。

 OTMの価格は最小構成で4000万円からだが、藤本氏によれば、「大企業が中心になるので、億単位のビジネスが多くなるのではないか」とのこと。日本オラクルでは専任の技術担当者を配置するほか、ERPやSCMを販売する営業、サポートエンジニアが兼任でロジスティクスを担当するなど、30人体制でビジネスを進める。今年度はロジスティクス分野での目標を明確に立てず、市場規模と顧客のニーズを把握してから、将来の戦略につなげていきたいとしている。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/


( 石井 一志 )
2006/09/25 16:24

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