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「単なるレポーティングツールじゃない」-SAS新社長がBIの価値を訴える


代表取締役社長の吉田仁志氏
 「BIは単なるレポーティングツールではない。レポートはもちろん必要だが、これを経営にどう生かすかが重要だ」-9月にSAS Institute Japan株式会社(以下、SAS)の代表取締役社長に就任した吉田仁志氏は10月20日、記者会見でこう訴えた。

 BI(ビジネスインテリジェンス)とは、業務内外から発生するデータを蓄積し、それを分析・解析した結果を提供することで、経営における意志決定・判断の材料とするためのシステム。しかし現在では、「わかりやすくするためか、単なるレポーティングツールとして扱われていることが多い」(吉田社長)とのことで、SASでは、「経営の判断力に生かすことが重要」と考え、より経営の判断材料として利用できる「より深いBI」として顧客に訴求していくという。

 そのためSASでは、「情報進化モデル」という考え方を導入した。これは企業におけるデータ活用の段階を、個人レベルにとどまっているレベル1から、ビジネスモデルの改革を達成するレベル5までの5段階にわけて、どういった方法で個々の情報を経営に役立てていけるかを規定した方法論。吉田社長は、「経営を何とかするためにはITは一部にしか過ぎない。企業が前進するためには人、プロセス、企業文化をあわせた4つが重要で、多面的にとらえていかない限り経営には役立たない」とし、これらの側面から各段階におけるステップアップを達成すべく、企業を支援していくとした。

 また吉田社長は「より顧客を理解して解決策を提供していきたい」と述べ、経営層の課題を的確にとらえるためにコンサルティング力と営業力の強化を図るとした。そのために新たなパートナープログラムを立ち上げるなどパートナーシップも強化し、コンサルティング系の企業とも積極的に協業するという。また新たな市場としては、「ノータッチだった」という官公庁向けソリューションの提供も目指す。

 「情報がフラット化する中で企業も変革が必要になってくる。いかに情報をうまく使えるかが企業の競争力になるといわれてきているが、やっとここで本当にそれができるソリューションができてきた。これからBIは本質的に使われていくメジャーな領域になってくると思うが、そうした中でお客様のお役に立っていきたい」(吉田社長)。



URL
  SAS Institute Japan株式会社
  http://www.sas.com/offices/asiapacific/japan/
  ニュースリリース
  http://www.sas.com/offices/asiapacific/japan/news/press/200610/20.html


( 石井 一志 )
2006/10/23 13:08

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