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米IntelジョンソンCIOが来日、CIOが注力すべき領域と評価方法を紹介


米Intel CIO兼副社長のジョン・ジョンソン氏
 インテル株式会社は10月23日、同社内でのIT活用状況に関する記者向け説明会を開催した。説明会には、同社の全世界のIT部門を統括する米Intel CIO(チーフ・インフォメーション・オフィサー)兼副社長のジョン・ジョンソン氏が出席、同社の取り組みに関して説明が行われた。

 同社の従業員は全世界で12万人。124の拠点、57の国と地域に展開している。使用するサーバーも8万台近くにのぼり、21万のLANノード、4685カ所のワイヤレスアクセスポイントが設置されている。WANの通信量は月間100TBにおよび、ネットワーク上のデータ保存量はエンタープライズ分野だけで3.2PB、エンジニアを含めた場合には7~8PBにもおよんでいる。

 これらのIT環境を支えるIT部門には7800名が在籍しているとジョンソン氏は説明する。「われわれIT部門のミッションは、Intelの継続と成長を支援するIT機能を提供することにある。また、ITがIntelの競争力の中核のひとつになることをビジョンとして活動している」と紹介。具体的なサポート対象として、各部門のデータセンターを運営する「Shared Services」、基幹業務の支援や業務部門を対象とした「Capability&Account Management」、ファイナンスや人事など組織横断的に支援する「Cross-IT」の3つを挙げている。

 CIOとしてジョンソン氏が検討・評価している領域について、「まずIT組織全体を見ることが重要。どういったモデルを持っているか、どういった業務構造になっているかを把握することが大事だ。投資戦略の評価もCIOの役割。経営陣との連携も重要だ。また、IT投資が企業内でどのように統治されているのか、どのように実行されているかといったガバナンス分野にもかかわらなければならない。このほか、ビジネスの目的との連携はどうか、ITが全社的にどのように利用されているか、新技術との連携はどうかといった点を検討したり評価することになる」と、幅広い領域が担当となると説明する。

 こうした領域を評価する方法として、ジョンソン氏は、「コストや機能、性能などの評価はもちろん、社内の技術を利用した評価が必要だ。また、自社の強みと弱さを把握することで競争上の優位点を理解することが大切。そして、社内からのフィードバックにより問題点を明らかにしたりすることが重要だ」と紹介した。

 評価方法の具体的な例として、社員一人あたりのIT費用がどれくらいかかっているかを業界平均との比較で行うことを紹介。相対的な比較により、他社に対して競争力があるかどうかの判断が可能になる。また、業務ごとにコスト効率を把握する方法として、相対的なマッピングのメリットを紹介。これにより投資対象の確認が容易になり、位置づけがしやすくなると述べた。


業界ごとに比較した社員一人あたりのIT費用
費用と競争力を基準に各業務をマッピングすることで改善点を確認

 同社内でのIT活用例については、クライアントPCのモバイル化による業務効率の改善、データセンターの仮想化によるサーバーの稼働率の向上、ITを用いたイノベーションの創出などを紹介。「クライアントPCに関しては、現在vProの評価を行っている。vPro採用により、さまざまな管理が可能になるとみている。サーバーに関しては、60%の稼働率であったサーバーを仮想化技術を用いることで80%まで改善。結果、資産経費を500万ドル節減することにつながっている」と、最新技術に関してもTCOのメリットの判断を行いながら、積極的に導入しているとした。



URL
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/


( 福浦 一広 )
2006/10/23 14:46

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