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日本オラクル、“世界最大級”のグリッド検証施設を開設


代表取締役社長の新宅正明氏

同日行われた発表会には、新宅社長(左)、三澤本部長(右)のほか、パートナー6社が集結した
 日本オラクル株式会社は11月7日、ハードウェアベンダやSIerなどパートナー14社とともに、最先端のグリッド環境を備えた検証施設「Oracle GRID Center」を開設すると発表した。設備は同社が契約するデータセンター内に設置されるという。

 Oracle GRID Centerは、“世界最大級”というグリッド検証施設。グリッドを次世代のサービス提供基盤として位置付け、日本オラクル製品のグリッド技術と、パートナーが提供するサーバー、ストレージといったハードウェアを組み合わせて実証を行う。日本オラクルでは、センターで技術検証を終えた最適構成を確立し、ベストプラクティスとして、顧客へ提供するスピードを加速したい考えで、代表取締役社長の新宅正明氏は、「認定された環境をいかに早く顧客へ届けるかが鍵」と述べた。

 人員は、日本オラクルから30名程度アサインするほか、パートナー各社からも要員を配置し、グリッド技術者の育成を図る。なお、今回の協業は日本法人主導ではあるが、米Oracle本社の技術支援も受けるほか、将来的には海外へも提供していく姿勢を見せており、グローバルな展開を最初から視野に入れている。「グローバルでは、Oracle自身が個別の環境を証明してこなかったので、これによって多くの情報が提供できる。得たコンテンツを世界に拡げていく」(新宅社長)。

 常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏は、「この5年で、Oracle 9i/10gが持つRACなどの技術がしっかり動くことが証明されてきて、パートナーとともにリファレンスをたくさん作り上げてきた」と述べ、RACが導入されたOracle 9i以来、単体のアプリケーションを支えるサービス基盤としては、グリッドを用いた可用性と信頼性、拡張性に対する評価を確立することができたする。

 しかし今後は、複数のアプリケーション間でグリッドを共有サービス基盤として活用した際のメリットもあわせて訴求していきたいという。三澤氏はこれについて、パートナーの持つ仮想化の技術を活用し、サーバー、ストレージの仮想化をあわせてユーティリティコンピューティング環境として利用できるようにする構想を説明。「共有サービス基盤がが実現できれば、より多くのコスト削減、運用管理の手間削減が図れる。また、パートナーの持つ仮想化技術も進化してきており、今が複数サービスへの適用基盤最適化をする時期だと考えている」と、現状で大規模グリッドの検証施設を設立した理由を話した。

 なお、パートナー14社は以下の通り。

・株式会社アシスト
・EMCジャパン株式会社
・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
・インテル株式会社
・サン・マイクロシステムズ株式会社
・シスコシステムズ株式会社
・新日鉄ソリューションズ株式会社
・デル株式会社
・日本アイ・ビー・エム株式会社
・日本電気株式会社
・日本ネットワーク・アプライアンス株式会社
・日本ヒューレット・パッカード株式会社
・株式会社日立製作所
・富士通株式会社



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1658


( 石井 一志 )
2006/11/07 17:26

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