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2006年度上期の総出荷実績
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社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は11月8日、2006年度上期(4~9月)の国内サーバー・ワークステーションの出荷実績を発表した。
同調査統計は、参画企業各社による自主統計で、市場のカバー率は約90%以上と見られている。大手サーバーベンダーでは、デルが参加していない。
これによると、オープンサーバー全体の出荷台数は前年同期比11%増の24万3003台、金額は3%減の2757億6300万円となった。そのうち、IAサーバーは、12%増の21万1485万台、1%増の1355億5000万円。UNIXサーバーは、3%増の3万1518台、7%減の1402億1300万円となった。IAサーバーのうち、ブレードサーバーは、23%増の1万5519台。
IAサーバーでは、50~100万円未満の価格帯が、台数で54%増の4万6323台、金額で35%増の407億5500万円と大幅に伸張。UNIXサーバーでは、100~300万円未満の価格帯で12%増の1万556台、14%増の284億5500万円となった。
「IAサーバーは、下位機種の伸びが高く、台数に比べて金額ベースでの伸びが低い。また、UNIXサーバーに関しても、CPUの性能向上などにより、下位機種に需要がシフトしているのが特徴」とした。
IAサーバー市場では、台数ベースにおいて、販売業の構成比が前年同期の16%から23%へと拡大。サービス関係も26%から30%へと拡大した。一方で、製造業向けが28%から22%へ縮小。公共も16%から12%へと縮小した。「公共分野の縮小は、自治体統合が一段落したことが影響している」と見ている。
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IAサーバー産業別出荷台数構成比
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UNIXサーバー産業別出荷台数構成比
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一方、メインフレームは、出荷台数が前年同期比10%減の422台、出荷金額は4%増の1001億8000万円となった。96年に新たな統計方法に変更して以来、メインフレームが金額ベースでプラス成長となったのは初めてのこと。
前年度投資が抑えられていた国家公務、地方公務、金融分野での需要が拡大。なかでも、2億5000万円以上の価格帯では、台数で22%増の104台、金額で6%増の621億3500万円となった。
オフコンやミニコンなどの独自OSサーバーは、6%減の1575台、2%減の168億3200万円、ワークステーションは、1%減の7万554台、2%増の255億4400万円となった。ワークステーションでは、製造業の構成比が52%から58%へと増加しており、CADなどの需要が堅調に推移したという。
同協会サーバ市場専門委員会では、「企業、金融機関などの業績改善による投資回復のほか、事業拡大や収益性向上に直結する新規システムの導入といった好転要因が継続し、オープンサーバーが成長した。この分野は、今後も新たなIT投資の中核として堅調な投資需要が見込まれる。なかでも、情報セキュリティにおける需要増のほか、運用管理を効率的に行うためのサーバー統合により、ラック型サーバー、ブレードサーバーの需要が拡大すると予測している」とした。
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メインフレーム産業別出荷台数構成比
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ワークステーション産業別出荷台数構成比
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また、同協会では、2008年度までの需要予測も発表した。
これによると、メインフレームは、従来は金額、台数ともに年率10%減で推移するとみていたが、上期の好調ぶりを背景に、2006年度は金額ベースでは1936億円と前年並み。台数ベースでは年率5%減で推移すると予測し、2006年度は890台。これが、2008年度には、810台、1569億円の市場規模になると予測した。
UNIXサーバーは、台数では毎年3%増、金額では2%減で推移すると予測。2006年度には6万4700台、3164億円、2008年度には、6万8700台、3039億円としている。
IAサーバーは、台数では年率10%増、金額では年率5%増で推移すると予測。2006年度は、45万5800万台、3157億円、2007年度は5万1400台、3315億円、2008年度には55万1600台、3481億円を見込んでいる。
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メインフレーム需要予測
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UNIXサーバー需要予測
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IAサーバー需要予測
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一方、同協会では、2005年12月から2006年3月までの期間に調査したIT化トレンドの調査結果も発表した。IT投資が増加傾向にあり、なかでも、ネットワークセキュリティに対する投資やWindowsサーバーへの投資が増加していること、さらに、サーバー統合化については、すでに統合している、あるいは検討中をあわせて約40%が指向しており、その目的として、運用管理コストの削減、運用管理の複雑さからの脱却といった理由をあげている企業が多いことがわかった。同調査は、報告書にまとめられて詳細が公開されている。
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IT投資のスタンスと投資予算推移
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サーバー統合化への取り組み傾向と指向性
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■ URL
社団法人電子情報技術産業協会
http://www.jeita.or.jp/japanese/
( 大河原 克行 )
2006/11/08 14:54
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