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OSDLコーエンCEO、「MicrosoftとNovellの提携はプラスのサイン」


 Open Source Development Lab(以下、OSDL)は11月8日、OSDLのCEOであるスチュアート・コーエン氏、OSDLのCharimanであるリチャード・ワート氏、OSDL Japan Advisory BoardのChairmanである柴田次一氏が出席し、OSDLの活動状況および今後の計画などについての説明会を開催した。


OSDL CEOのスチュアート・コーエン氏 OSDL Charimanのリチャード・ワート氏 OSDL Japan Advisory BoardのChairman、柴田次一氏

 今回の説明会は、前日まで日本で開催されたOSDLボードミーティングを受けて行われたもの。コーエン氏はOSDLのミッションを変更することが決められたとし、「これまではLinuxおよびOSS(オープンソースソフトウェア)の普及に努めてきた。しかし、LinuxおよびOSSが市場で大きく成長している現状を踏まえ、OSDLとして普及に加え、開発および採用促進を進めることをミッションとすることにした」と、次のステップに進んだと説明。

 具体的な活動内容として、Linux開発コミュニティに対する支援に力を入れると紹介。また、LinuxおよびOSSをどのように使うのかをテーマにSIerに対して情報公開などを積極的に行うと述べた。

 ワート氏は、「開発コミュニティがOSDLに参加することで、OSDLが企業とコミュニティの橋渡し役になり、新しい市場の開拓につながる。6月から開発者向けにシンポジウムを開催しており、時間をかけてプロセスを改良していきたい」と、開発コミュニティを含めた情報交換を密にする活動を行うとした。

 日本での活動状況について柴田氏は、「OSDL参加企業のうち、20%が日本企業。関心の高さが伺える」と紹介。LinuxおよびOSSの採用促進にSIerの役割が重要であるとし、「SIフォーラムを開催したり、Windows技術者向けのガイダンスや事例集などを公開している」と、OSDLを中心にLinuxおよびOSSでのシステム構築の促進を図っていると説明。「すでにOSSは企業にとってなくてはならない存在にまで高まっている。企業の枠にとらわれず、開発者同士が活動できるようにしたい」と、各種シンポジウムなどによる双方向の情報交換を積極的に行っていくとした。

 また、先日発表された米Microsoftと米Novellとの提携について、コーエン氏は、「詳細についてはまだわからないが、(Microsoftの)バルマーCEOがLinuxの重要性を認めたというのが大きなポイントだ。企業におけるLinuxの役割が高まっている現状を受け、Microsoftの認識が変わったことを表しており、プラスのサインと受け止めている。引き続き、両社の活動を注視していきたい」と、好意的な評価を示した。



URL
  Open Source Development Lab
  http://www.osdl.jp/

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( 福浦 一広 )
2006/11/08 18:39

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